元アナ、40歳超え薬剤師の道 大村市の酒井俊幸さん

西日本新聞 長崎・佐世保版

 薬剤師に転身し、今春、白衣に袖を通した民放アナウンサーが大村市内にいる。サカイ保健薬局(同市古町)の酒井俊幸さん(46)。家業を継ぐため40歳を過ぎて福岡放送(福岡市)を退職し、6回目の挑戦で薬剤師の国家資格試験に合格した。アナウンサーの経験を生かし「患者さんとの対話を大切にしたい」と意気込む。

 小学校時代から人前で話すのが好きで、卒業文集には将来の夢を「アナウンサー」と書いた。地元の大村高を卒業して熊本大薬学部に進学。幼い頃からの夢を諦められず、4年生になってからは薬学研究の合間を縫ってアナウンサーの就職活動を始めた。「担当教授に怒られ、あきれられましたね」と振り返る。

 内定を得たのはNBCラジオ佐賀(佐賀市)。2年目から朝のワイド番組を担当し、高校野球大会の実況なども任された。酒井さんの声はNBCラジオを通じ県内にも流れていた。サガテレビ(佐賀市)や福岡放送(福岡市)でもアナウンサーや報道記者としての経験を積んだ。

 家庭の事情で家業を継ぐことになり、大学時代に一度受験した薬剤師国家試験への再挑戦を決意。だが、かつては4年制だった薬学部が卒業後に6年制になり、試験内容も大幅に変わっていた。

 4年間は福岡市の専門予備校にも通ったが、その後は実家で仕事を手伝いながらの受験。酒井さんは「家業の手伝いをしながら受験勉強をするのが一番の対策になった」と振り返る。座学で得た知識だけでなく、多種多様な薬品に囲まれながら作用などを体で覚えられたからだ。「浪人生活も無駄じゃなかった」。今ではそう思っている。

 地域の子どもたちに薬や薬局を身近に感じてもらえるような学校薬剤師になるのが次の目標だ。「しゃべりのプロ」から「薬のプロ」に転身したからこそ、一般には難しい効き目や服用の注意点を患者に分かりやすく伝えるのが、自身に課せられた使命だと信じている。

長崎県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ