お客の笑顔 行動力の源 カフェ店長、アパレル作家で画家 武藤勇樹さん=福岡市中央区

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 ある時は福岡市内のカフェ店長、またある時はTシャツなどを販売するアパレル作家。集客イベントではイラストの腕前を披露し、絵描きも名乗る。多彩な「顔」を持つ26歳の根底にあるのは、挑戦心と軽いフットワーク、それにこんな思いだ。「自分が考えた商品で誰かが喜び、笑顔になるのが幸せ」

 少し前までは、「やりたいことがなさ過ぎる人」だった。出身地の佐賀市の高校を卒業し、女性にモテそうだからと進学した福岡市の音楽専門学校を1年で中退。アルバイト先の佐賀市の居酒屋チェーンから店長にと誘われ、入社した。「20歳で店長、何となくかっこいいかも」と。

 飲食業界で新メニューの開発やイベント企画、原価管理をこつこつ考える作業は、性に合っていることに気付いた。「計画を練って実行し、数字で結果が出てくるのが面白かった」。一方、居酒屋経営の厳しい現実も肌で感じ、このまま食べていくのは難しいと、自ら事業を興すことに関心が向いた。

 特技だったイラストが思わぬ道を切り開く。2年前、会員制交流サイト(SNS)で知り合ったアート作家に個性を認められ、佐賀市で共同展示会に参加。これをきっかけに、自作のデザインを入れた服飾品づくりに取り組むようになった。

 「インターネットを通して、誰でも独自の洋服を作ることができる時代。『好きなことなどできない』というのは、思い込みに過ぎない」。ファッション雑誌を模した写真をSNSに投稿するなど試行錯誤しながら、全国から洋服の注文を取っている。アパレル事業が徐々に軌道に乗り始めると、かつての飲食業での経験を買われ、カフェ店長の仕事も同時並行で任された。

 今は週に5日、カフェのカウンターに立ち、お客との会話の中に事業のヒントも探す。「福岡の街中でロゴを見かけるぐらい自分のブランドを浸透させたいし、カフェは佐賀市に自分の店を持ちたい」と、明確な目標を胸に日々動き続ける。

   ◇    ◇   

 武藤さんのアパレルブランド「FUNNY(ファニー)」は9月30日まで、博多マルイ6階に出展中。カフェ「SUP STAND(サップスタンド)」(福岡市中央区大宮1丁目6-16-102)の営業は午前11時~午後10時。火曜定休。

福岡県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ