児相、県警が虐待想定訓練 対応力向上へ初

西日本新聞 佐賀版

 「子どもたちの命を守れ」‐。全国で子どもが犠牲になる悲惨な虐待事件が相次ぐ中、県中央児童相談所や県警が7日、重大な虐待事案の発生を想定した立ち入り調査や捜索の訓練を佐賀市の県警察学校で初めて開催した。折しも札幌市では児相や警察の接触がありながら2歳の女児が衰弱死したばかり。約50人が真剣な表情で訓練に臨み、会場は緊張感に包まれた。

 「娘は元気にしとる、帰れ」。女児への面会を求める児相職員に対し、玄関にチェーンをかけて立ち入りを拒否する父親。職員は最終的に裁判所から許可状を得て、チェーンを切り警察官と自宅内に踏み込んだ。その後、室内にいた女児を発見し、無事に保護した。

 この日行ったのは、強制的に自宅へ入り、子どもの安否を確認する「臨検・捜索」の模擬訓練。昨年3月に東京都目黒区で5歳女児が、今年1月には千葉県野田市で10歳女児が死亡するなど重大な虐待事件が続くことから、現場の対応力を高めようと企画した。

 県警によると、県内で昨年認知した虐待事案は327件(前年比163件増)で、204人(同94人増)について児相へ通告した。今年も4月末時点の速報値は115件(前年同期比30件増)。81人(同47人増)を通告している。

 児童虐待では児相や警察など関係機関が連携して子どもの状態を確認し、危険度が高ければ一刻も早い保護が求められる。同児相の壇浩市所長は「いつ佐賀で重大な虐待事案が起こるか分からず、人知れず起こっているかもしれない。緊張感を持って子どもの安全や命を守っていきたい」と話した。

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