海底の戦争遺跡を後世に 九大の研究機関、講演会費用ネットで調達

西日本新聞 ふくおか版

高精度の測深技術を使って作成された米軍艦エモンズと周辺の海底地形図(菅浩伸・九州大主幹教授提供) 拡大

高精度の測深技術を使って作成された米軍艦エモンズと周辺の海底地形図(菅浩伸・九州大主幹教授提供)

 太平洋戦争末期の沖縄戦で旧日本軍の特攻攻撃を受けて沈められ、今なお沖縄の海底にその船体を横たえている米軍艦「エモンズ」を後世に伝える講演会を開こうと、九州大浅海底フロンティア研究センターは7日、事業資金をインターネット上で募るクラウドファンディング(CF)を始めた。 

 エモンズは1945年4月に沖縄沖で任務中、特攻機5機の攻撃を受けて航行不能になり、翌日に米軍僚艦によって沈められた。2000年に水深約40メートル地点で左舷側を上にして着底している船体が発見されたが、見通しの利かない海中では全長約106メートルの全体像を把握できなかった。

 海底の地形調査に取り組む同センターは14年から、水中写真と超音波を組み合わせてエモンズを測量。詳細な海底地形図と船体の3次元画像を作成し、船体が当時の形をほぼ保っていることを突き止めた。沖縄近海に現在まで残る軍艦は少ないとみられ、エモンズは昨年の研究結果の公表以降、貴重な戦争遺跡として注目を集めている。

 CFでは、戦後75年の節目を迎える来年に福岡、沖縄両県で開催を予定する一般市民向けの講演会の費用を集める。1口5千円からで目標額は100万円。寄付額に応じ、エモンズのパソコン用オリジナル壁紙などを贈る。センター長の菅浩伸・主幹教授は「貴重な戦跡を研究者たちの手の内だけにとどめていてはならない。平和の大切さを後世に伝えるためにも支援をお願いしたい」と話している。

 CFサイト=https://readyfor.jp/projects/Emmons=で、8月15日午後11時まで受け付ける。問い合わせは、同センター=092(802)5646。

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