元気で最後まで見て 20年ぶり福岡でサマーピクニック 南 こうせつさん

西日本新聞

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南こうせつさん

 1980年代、多くのミュージシャンが集まり九州で開かれた野外コンサート「サマーピクニック」が今年9月、20年ぶりに福岡市に帰ってきます。中心にいるのはもちろん、今年デビュー50年の南こうせつさん。ただ副題に「さよなら、またね」とあるように今回が最後かもしれません。

 ‐今年70歳です。

 ★南 歌を歌いながら人生を歩んできて、結果としてまだ現役でいられる、ということはとてもラッキーです。30歳になったころに、東京圏から大分に移住してきたわけですが、ちょっと早かった。当時の自分を振り返ると、「神田川」が売れすぎ、達成感に満ちていた。そして自分と向き合って出てきたテーマが「幸せって何だろう」。僕の中では、日々の暮らしの中で風を感じて季節の花をめでたり、畑を耕したりとかしながら、それ以上のものがあるかな、という価値観に行き着いたんですね。もう一回緑の田舎の中に入っていこうと移住しました。

 ‐新アルバムとベスト盤、エッセー出版と濃密な1年ですね。

 ★南 70歳が一つの節目ということはあったと思います。これからミリオンセラーを出すのは考えられない。そういう中で今までの自分の音楽人生をちょっと区切りたかった。

 ‐新アルバムとエッセーの題名は共に「いつも歌があった」。

 ★南 歌は自分の中のどこにあったんだろうと考えてみると、小っちゃい頃は母の歌であったし、記憶がだんだん出てくる頃には、ラジオからいろんな歌が流れてきて。貧しかった日本のGDPがどんどん上がっていく。そこにいつも歌があるんです。例えば「いつでも夢を」にみんな励まされた。ヒット曲が日本中で共有できた。でも今はどうでしょうか。

 ‐新アルバムの「おかえりの唄」は祭り囃子の音が印象的です。

 ★南 この曲は40年以上前に星野哲郎さんからいただいた詞です。当時は「時代じゃない」とお蔵入りしました。2年ぐらい前に本棚を整理していたら出てきて。平成になって日本中で災害が起きてふるさとがあちこでつぶされました。そんな今読んだら感動したんですよ。ふるさとを思うメッセージソングです。

 ‐サマーピクニックはそもそもどういうきっかけで始まったのですか?

 ★南 1975年につま恋(静岡県)で吉田拓郎さんとかぐや姫で開いたオールナイトコンサート。その淵源は68年のウッドストックですが。つま恋の興奮が忘れられず、九州に移ってきていた僕が夜通しやって感動できるコンサートを九州の人にも味わってほしい、と81年に第1回を熊本・産山村でやりました。お客さんとの約束だった10回やり、その後もリクエストがあって何年かごとにやってきました。全国からお客さんも来てましたので、12回目(2009年)はつま恋で、13回目(14年)は万博公園(大阪府)。自分の中では毎回これで終わりだ、と思ってやってたんですけど、50年で70歳という記念の年にスタッフやファンから「もう一回」という声が上がって。「今の体力ならできるかもしれない」と決断しました。アルバムとか本もいいんですけど、記念として野外コンサート。最後かもしれないと思って「さよなら」と付けたら、スタッフが「寂しくない?」。それで「またね」を付けました。そして、九州で始まったので九州に戻ろうと。しかも「令和」に縁がある福岡。もっともこれはこじつけです(笑)。

 ‐こうせつさんにとってサマーピクニックとは?

 ★南 人と出会って、お互いの命をたたえ合うパーティーですね。

 ‐来場されるファンへアドバイスを。

 ★南 元気で最後まで見ること(笑)。だって、いいですか、万博の時に思ったんですけど、最初は「待ってました」とばかり50代、60代の方が「イェー」と少年のような顔をして手を挙げる。だけど5曲目ぐらいになると、ぜぇぜぇ言って座り込んで。まあ、それがかわいいんですけど。午後2時から5時間、お互い元気にやりましょう。

 ▼みなみ・こうせつ 1949年2月13日生まれ、大分市出身。大分県在住。70年「最後の世界」でソロデビュー。71年、伊勢正三さん、山田パンダさんと「かぐや姫」結成。73年「神田川」がミリオンセラーに。「サマーピクニック~さよなら、またね」は9月28日、福岡市の海の中道海浜公園。伊勢正三さんやイルカさん、海援隊、BEGIN、長渕剛さんらが出演予定。BEA=092(712)4221。

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