メキシコ制裁関税見送り 米トランプ大統領

西日本新聞 総合面

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は7日、不十分な不法移民対策を理由にメキシコからの全ての輸入品に10日から課す予定だった制裁関税措置について「無期限に停止する」とツイッターで述べ、発動見送りを表明した。不法移民対策でメキシコとの合意が得られたため。発動されれば両国の経済や、メキシコに進出する日系企業への深刻な影響が懸念されたが、ひとまず回避された。

 両国が合意後に発表した共同宣言によると、メキシコは中米諸国から米国を目指す移民の通過を抑制するため、自国南部の国境に警備隊を重点配置するなど対策を強化する。

 トランプ氏は5月末、メキシコが取り締まりを強化し、実際に不法移民の流入が減らない限り5%の制裁関税をかけ、10月にかけて最大25%まで税率を順次引き上げる方針を示した。

 しかし、中国と並んで輸入額が多いメキシコへの高関税措置には、米国内の経済界だけでなく与党共和党内からも反対が噴出。高関税をかけ合う中国との貿易協議の展望が開けない中、メキシコとも貿易問題を抱えれば個人消費の冷え込みなどにつながりかねず、好調な米経済への打撃の大きさを考慮したとみられる。

 両国は7日まで3日間、ワシントンで協議。宣言によると、米国は米南部国境を越えてきた難民申請者を送還し、審査結果が出るまでメキシコ側で保護するなどの連携強化で一致した。

 トランプ氏は「メキシコが、米南部の国境に向かう大量の移民を阻止する強力な措置を講じることに合意した」と評価。メキシコ側の対策強化による米国への不法入国の大幅減や排除に期待感を示した。公約である不法移民対策の成果として誇示したい考えだ。

 ただ、宣言では対策が奏功しなければさらなる措置を取るとうたうなど効果は未知数。トランプ氏が今回の合意を覆してメキシコに再び制裁措置を突き付ける可能性は否定できない。

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