自費出版からランキング1位へ!小学2年生から新入生への「学校のすゝめ」

西日本新聞

 日本は少子高齢社会となり、場所によっては子どもの姿がめっきり減ってしまった。若い世代に人気がある新興住宅地の公園で、大勢の子どもたちが元気に遊ぶ姿に出会えたりすると、ことのほかうれしく希望の光が差すような気がするのは筆者だけではないだろう。この子どもたちの未来がどうか幸せでありますようにと願わずにはいられない。

 もちろん幸せの物差しはいろいろあるけれど、できれば自信を持って好きなことができる輝く人生であってほしい。そのためにも、ぜひ学校を好きになってもらいたい。多くの子どもの生きる世界は家庭と学校が中心なのだから、みんなで勉強をして、運動をして、絵を描いて、友達を作れる学校で、生き生きと毎日を過ごしてほしいと思う。

 本書の著者ういちゃんは、小学2年生にしてその気持ちを本という形で表現した。これから小学生になる後輩のために、小学校に入る前にしておいた方がいいことや、小学生になってからやるといいことについてのアドバイスをくれる。大人が子どもに示す心構えというと、ともすれば上から型にはめるような方向になりがちだと思うが、本書では、ういちゃんが素直な子ども目線で、気持ちに寄り添うように語りかけてくれるのだ。

 印象的だったのは、「せんせいには、「きんちょうしていること」を つたえてみよう。」という一文。確かに、子どもは大人の想像以上に繊細で、ちょっとしたことで内面は大きく揺らいだりする。けれど大人は、特に忙しい先生は、気が付かないことも多いかもしれない。もし子どもの方から自分の気持ちを言葉にする、という行為ができれば、先生にも生徒にもきっと大きな意味のあることだ。

 入学前の子どもはもちろん、入学後でも遅くない。秘かに抱えている学校への不安やストレスが、本書を読むことで少しでも解消すればいいと思う。もちろん本書の通りにできる子ばかりとは限らない。例えどれかひとつでも実行できればいい。その子なりの自立心を育てるために、大人は口出し無用の一冊ではないかと思う。

 優しい色合いの、えがしらみちこさんの子どもの絵は愛らしくて和む。また大人向けに、ういちゃんと「ビリギャル」著者の坪田信貴氏との対談が掲載された小冊子が付帯されている。自費出版されていた頃の本にある、ういちゃん手描きの絵も楽しめる。

 

出版社:学研プラス
書名:しょうがっこうがだいすき
著者名:うい/作 えがしらみちこ/絵
定価(税込):1,512円
税別価格:1,400円
リンク先:https://hon.gakken.jp/book/1020497600

西日本新聞 読書案内編集部

PR

読書 アクセスランキング

PR

注目のテーマ