これで成績不振も脱出できる?! 働き盛り世代に贈る「熱男」からのメッセージ

西日本新聞

 その昔、プロ野球で常勝球団と言えば読売ジャイアンツで、その中心には熱血男・長嶋茂雄がいた。平成において、常勝球団はホークス(ダイエー~ソフトバンク)へと移り、そこにはムードメーカーとして、「熱男」(あつお)と呼ばれる松田宣浩選手がいる。強いチームのモチベーターとして紹介されることも多い松田選手が、同世代の社会人や若い人に向けたメッセージをまとめたのが本書だ。

 人生とどう向き合えばいいのか、といったアドバイスは、誰がどういう姿勢で語っているのかが重要となる。それによって、受け手への響き方が違うからだ。松田選手の場合、十分なキャリアがありつつ、現在も現役のプレイヤーだという点が貴重である。

 プロのスポーツ選手なので、成績は一目瞭然。昨年度、チームは2年連続の日本一になれたものの、個人としては悔しい、不甲斐ない結果に終わったと赤裸々に書いてある(それでも、レギュラーシーズンにはホームランを30本以上打っているのだが)。あるいは、2017年に開幕からの1ヵ月絶不調だったことにふれ、「ただただ練習不足だった」と生々しい反省が書いてある。これもWBC日本代表に選ばれたことが関係しているので、本人がサボっていたわけではないのだけれども。

 似たような例は、一般の社会人でも思い当たるかもしれない。営業成績などで、必ずしも自分のせいだけではない不振に悩んだ経験があるといったような。そうしたときに、どう振る舞えばいいかというヒントが書いてある。

 前書きにもある通り、36歳という松田選手の年齢は、プロ野球界ではベテランの域ながらビジネスの世界だと働き盛りに当たる。ちょうど物事が見えてきて、かつ、現場とも離れていないポジションであり、参考になる話は多い。例えば、守備について4人のコーチから教わったことを述べた箇所には、こうある。

 「自分のスタイルに固執してむきになって人の意見に耳を貸さないのは、自分の成長を妨げることになるだけです」

 これは会社の中堅層が陥りやすい穴なのではないだろうか。

 各事例はコンパクトにまとめられ、スポーツの話を土台としたアドバイスなので、頭に入りやすい。年齢・立場によって感じるところはいろいろだろうが、自分の生活をふり返り、これからを考えてみるときに適した1冊となっている。

 

出版社:講談社
書名:熱男のことば 球界最高のモチベーターが実践する究極のポジティブマインド
著者名:松田宣浩
定価(税込):1,620円
税別価格:1,500円
リンク先:http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000321465

 西日本新聞 読書案内編集部

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