回答の6割は未利用者 下関北九州道路市民アンケート

西日本新聞 社会面

下関北九州道路の最有力ルート 拡大

下関北九州道路の最有力ルート

 北九州市と山口県下関市を新たに結ぶ「下関北九州道路(下北道路)」について、昨年11月に実施した両市民6812人(回収率31%)へのアンケートで、回答者の約6割が両市を「ほとんど行き来しない」人だったことが分かった。関門トンネルや関門橋の未利用者が過半数を占める中で、新たな道路のルートや構造(橋かトンネル)を選ぶ際の考え方を尋ねた結果となり、北九州市議会では「正確な意見が反映できているのか」と疑問の声が出ている。

 アンケートは、関係自治体による「下北道路調査検討会」が多様なニーズをくみ取るために実施。アンケート結果も根拠に今年3月、最有力(最短)ルート=地図参照=と、「橋が比較的優位」とした見解を報告書に明記した。全7問で下北道路の賛否を聞いた質問はなかった。

 西日本新聞が北九州市に情報公開請求した資料では、両市民の回答者2108人のうち既存の関門橋などの道路を「ほとんど行き来しない」「行き来したことがない」が59%を占めた。

 残りは「月2~3回の往来」が35%と最多。「週2~3回」と「週4~7回」は合わせて7%にとどまった。北九州市側では「ほとんど行き来しない」「行き来したことがない」が74%だった。利用している人に絞ると、8割は「交通混雑に課題がある」と答えた。

 全体のアンケート結果で、ルートを選ぶ際に重視すべきことに対し「両市を早く移動できること」(複数回答で66%)などの回答が多かった。構造では「快適に走行または開放感がある」(同45%)との回答もあり、検討会は橋を「優位」としたという。

 10日の市議会で、石田康高議員(共産)は「(過半数が)実態を知らない住民に聞いても、(結果は)正確とは言えないのではないか」とただした。市建築都市局長は「アンケートは将来使う可能性がある人も含め市内全域を対象とした。利用者に絞った分析もしており、この道路の必要性が高いと判断している」と答弁した。関門トンネルなどの課題を聞く自由記入欄(223人が回答)をみると、下北道路に「賛成」は14人、「反対」は9人。「分からない」が最多の32人だった。

【ワードBOX】下関北九州道路

 2008年に事業が凍結されたが、地元が要望を続けて17年度から、関係自治体による調査に国が補助する形で再開された。19年度からの国直轄調査への移行が3月末に決定したものの、塚田一郎元国土交通副大臣がその決定を巡り、安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相の意向を「私が忖度(そんたく)した」と発言、撤回し辞職。決定経緯について野党が追及を続けており、直轄調査がどのように進むのかはっきりしてない。

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