オール芦北の映画完成 監督は地元出身、町民が製作委

西日本新聞 熊本版

試写会後、撮影の感想などを語る篠原隼士監督(左から3人目)や出演者たち 拡大

試写会後、撮影の感想などを語る篠原隼士監督(左から3人目)や出演者たち

 芦北町出身の映像制作団体代表、篠原隼士(ささはらはやと)さん(27)=東京都=が監督を務めた映画「ふたりの空」の完成披露試写会が9日、芦北町の町民総合センターであった。「古里の良さを発信したい」という篠原さんの思いに共感した住民たちが「あしきた映画製作委員会」(平江大八会長)を立ち上げて2年。町内で全てのロケを行い、オーディションで選ばれた人たちも多数出演した青春映画の船出を、多くの町民らが祝った。

 映画は、町内に実在するストッキングメーカーの工場で働く兄と県立芦北高2年の妹を軸に、仕事や恋に悩む若者を描写。人間関係や将来への不安を巡って葛藤を抱く2人が、周囲に見守られながら前向きに成長していく姿を追っている。

 熊本地震後、古里で映画を撮りたいとの思いを強めた篠原監督は、脚本を手に町役場に相談。有限会社を経営する平江会長を紹介され、熱意が届いて2017年5月に委員会が動きだした。協賛金集めと並行して昨年1月には町内でオーディションを実施し、主要な人物役を決定。同4~5月に全編を町内で撮影した。

 平江会長はこの日の試写会で、「(篠原監督の)言葉に感動して、実現してやろうと委員会ができた。みんなで一生懸命に作り上げた作品だ」と紹介。篠原監督は「映画は観客に見てもらって初めて完成。古里の温かさを思い出して、心が一歩前に進むような映画になれば成功だ」と話した。

 上映後、出演者たちが壇上で撮影を振り返り、主役を務めた俳優の鈴木勤さん(27)は「おいしい食べ物とお酒で約3キロ太った。(住民から)温かい言葉をかけてもらうことが多く、うれしかった」と感謝。熊本市の大学生で妹役を演じた山本彩加さんは「初心者の私を周りの人たちが助けてくれた」と語った。

 上映時間45分。今月の「新人監督映画祭」や秋の「東京国際映画祭」などに出品され、来年には東京や熊本で一般公開される予定。 

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