博多人形まきで焼成 古来の技術「空吹き窯」再現

西日本新聞 ふくおか都市圏版

「空吹き窯」でまきを使って焼成した博多人形を窯出しする若手人形師たち 拡大

「空吹き窯」でまきを使って焼成した博多人形を窯出しする若手人形師たち

 まきを燃やして博多人形を制作する古来の土窯「空吹(そらぶ)き窯」を福岡市西区羽根戸の工房で再現した若手人形師たちが、初めての窯たきに挑戦した。焼き上げた人形は一部で焼きムラが見られたものの、まきを使っていた時代の焼成技術をよみがえらせることに成功した。若手を指導した博多人形商工業協同組合理事長の武吉國明さん(78)は「江戸時代からの技術を次の世代につなぐことができた。後世へ受け継いでもらいたい」と期待を込めた。

 博多人形は、彩色を施す前の工程で素焼きをするが、江戸時代ごろから1970年代までは空吹き窯が使われていた。しかし、まきを使うために火力調節が難しく、焼きムラが出て彩色できないものも出るため、安定して焼ける電気窯などに置き換えられた。

 武吉さんは空吹き窯を使った最後の世代。若手から「伝統技術に挑んでみたい」との声を受け、古い焼成方法の伝承を決意。若手が武吉さんの工房に集まって窯の底面に微妙な傾斜を施すなどのコツを学び、今年4月半ば、レンガを積み上げ粘土質の土で塗り固めた円筒形の窯(高さ90センチ)を築いた。

 初めての窯たきは5月31日に実施。武吉さんと30~40代の若手人形師6人が作った美人物、童物など約50点を窯入れし、翌6月1日に窯出しした。

 窯たきでは、窯の温度が850~900度になるよう、武吉さんが昔の経験をもとに、円筒の窯の先から立ち上がる炎の様子を見ながら指示。若手が交代しながら、8時間かけてたき口からまきをくべた。焼きムラが出たり、割れたりして1割5分の人形を焼き損なったが、武吉さんが空吹き窯を使った時代と同じ歩留まりで、作業は順調に進んだという。

 参加した弟子の永野繁大さん(42)は「火加減を一定に維持するのが難しかった。まきで焼くという制作のストーリーがアピールできる人形づくりに取り組みたい」と意気込みを語った。 

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