教室にトイレ 利益優先、安易な受け入れ 東京福祉大

西日本新聞 社会面

 文部科学省と出入国在留管理庁による東京福祉大への調査では、低質な学習環境や、受け入れた留学生の日本語能力の低さが浮かび上がった。政府が「留学生30万人計画」を目指す中、ずさんな管理の下で留学生をかき集めていた経営実態も指摘されており、新制度で不法残留の発生を招く安易な留学生集めの抑止につなげられるかが課題だ。

 「大学が、真に留学を目的としない外国人を大量に受け入れることは想定していなかった」。柴山昌彦文科相は11日の記者会見でこう述べた。文科省は所在不明者などの情報を各大学から定期報告させていたが、東京福祉大は虚偽の内容を伝えていた。

 特に問題視されたのが「学部研究生」だ。正規課程への入学を前提とするため、募集要項では日本語能力試験「N3」程度を求めているが、調査では最低レベルの「N5(基本的な日本語をある程度理解できる)」にも到達していない学生がいることが分かった。

 増える学生を収容するためアパートや雑居ビルの一室を間借りして教室にし、その中には外部の人が利用するトイレがあるケースさえあったという。職員1人当たりの留学生数は2015年度の43・8人から、18年度は100・6人に倍増。文科省は「十分な教育や対応ができる態勢ではない」と批判した。

 東京工業大の佐藤由利子准教授(留学生政策)は「日本語学校を卒業したが日本語能力が不十分で大学に入れず、それでも日本に残って働きたい人の受け皿になっていたのではないか」と指摘する。

 少子化を受け経営安定などのため留学生の受け入れ拡大に乗り出す大学は多く、中には留学生が日本人学生を上回る大学もある。文科省は所在不明者や退学者が一定数いる可能性があるとして日本経済大(福岡県太宰府市)などを調査している。

 文科省は「これまで性善説にのっとっていた部分はある」(柴山氏)として大学の管理の厳格化に乗り出す。ただ、佐藤准教授は「管理ばかりに目が行きすぎて、留学生への教育支援の視点が欠けてはいけない」と話した。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ