地域活動に住民が助成金 志免地域 寄付集め 学習支援などに再分配

西日本新聞 ふくおか都市圏版

「別府一パワーアップスクール」で、楽しそうに体を動かす子供たち。基金からの助成金は英会話の外国人講師代に充てられた 拡大

「別府一パワーアップスクール」で、楽しそうに体を動かす子供たち。基金からの助成金は英会話の外国人講師代に充てられた

 地域住民から集めた寄付金を、地域活動に再分配するNPO法人が志免町にある。1年前に発足した「志免地域支え合い互助基金」(志免町別府2丁目、下稲葉康之理事長)。2018年度は別府地区の2団体に計約22万円を助成し、2年目となる19年度は対象を町全体に広げる予定だ。人口減少や少子高齢化の進展で地方の活力低下が指摘される中、地域コミュニティーを支える取り組みとして、注目を集めそうだ。

 8日午前、別府1丁目の公民館は子供たちの歓声で満たされた。別府一町内会が取り組む小学生の学習支援活動「別府一パワーアップスクール」の19年度開校式があり、小学生約30人が参加していた。

 登校日以外の毎週土曜日の午前中、月3回のペースで地域の小学生を集めて勉強したり昼食を食べたりして過ごす活動は本年度で6年目を迎える。牛房良嗣校長が「今年も仲良く遊んで勉強してください」とあいさつすると、「はーい」と元気な声が返ってきた。その後は、外国人講師による英会話教室もあった。

 活動が続く理由について、町内会の藤慎一郎会長は「人材と予算の二つ」を挙げる。牛房校長のように核となる人材は不可欠だが、活動には費用もかかる。基金は18年度、17万円余りをスクールに助成した。

 別府1丁目では、町内会費でスクール予算を18年度は30万円、19年度は40万円も計上した。昼食の材料代などを加えれば軽く50万円を超えるため、藤会長は「助成は本当にありがたい」と感謝する。

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 基金の事務局があるのは、医療介護施設「かめやま」の一角。下稲葉理事長が会長を務める社会医療法人「栄光会」が運営している。基金事務局を担当するのも栄光会の職員だ。

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」では、「介護難民」や生活困窮者が地域に増えることが懸念されている。そこで、「地域協働の仕組み作りが必要」と栄光会が地域住民らに呼びかけ、基金発足につなげた。

 1年目の18年度は、賛助会員59個人9団体から117万2千円を集めた。助成事業に加え、生活支援のニーズを探るアンケートを町社会福祉協議会と共同で実施したり、社会問題啓発活動を別府地区の各公民館で開いたりした。

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 基金事務局の人件費など運営費の多くは栄光会の持ち出しだが、「問題ない」と自身も栄光会理事を務める基金の下稲葉主一事務局長は話す。

 高齢化の進展に伴う社会保障費抑制の方向性は維持されることが予想される中、栄光会が運営する医療施設や老人ホームの患者や入所者も、やがて地域に戻ることが想定される。「暮らしやすく支え合う地域社会なら、お年寄りたちも安心して帰れる。地域に活力が戻れば、最終的には栄光会の利益にもなる」

 2年目の19年度は活動地域を町全体に広げて、賛助会員100人以上から寄付金260万円を集める目標を掲げる。助成は1団体あたり30万円を上限に合計150万円を目標に希望団体を募る。実績がなくても目的が明確であれば応募は可能という。

 「地域のために頑張る人と応援したい人をつなぐ役割を果たしたい」と下稲葉事務局長。寄付や助成の問い合わせはNPO法人志免地域支え合い互助基金=092(692)1512。

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