月1回の北原白秋連載の下調べで

西日本新聞 社会面

 月1回の北原白秋連載の下調べで、九州文学界の重鎮だった原田種夫さんの随想集を読んでいて興味深い一編に出合った。サブタイトルは「太宰府の豪雨被災地を見る」。

 その災害は1973年7月30日夜から翌日午前2時にかけ、現在の福岡県太宰府市や粕屋郡などで発生した。宝満・三郡山系を短時間の集中豪雨が襲い、多くの渓流で土石流が発生。24人が死亡し、約3万5千戸の家屋が被害を受けた。新聞報道によると、林道工事で山腹に放置されていた3千本のスギ材が被害の拡大に拍車を掛けたという。

 短時間の猛烈な雨、一気に流れ下る針葉樹。2017年九州豪雨と、災害の発生状況がよく似ているではないか。

 原田さんは当時、万葉の故地での災害に衝撃を受け、3日後に現地入り。被災者の証言を聞き、山を削る乱開発を戒めた。随筆の最後の一文は<人は、自然を恐れねばならぬ>。防災の夏に向けての教訓としたい。 (鶴丸哲雄)

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