地上イージス失態相次ぐ 調査データミス 防衛相、秋田で陳謝へ

西日本新聞 社会面

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を巡り、防衛省は14日、岩屋毅防衛相が17日に候補地の陸上自衛隊新屋演習場のある秋田市を訪問すると発表した。調査で誤りが見つかった問題について謝罪し、配備計画への理解を求める考えだが、佐竹敬久・秋田県知事ら地元は不信感を募らせており、理解を得るのは容易ではない。もう一つの配備候補地のある山口県にも近く訪問する考えで、夏の参院選を前に事態を沈静化したい思惑も透ける。

 「不信を買っていることについて重ねておわび申し上げます。将来の態勢をしっかり強化する必要があると考えている」。岩屋氏は14日の閣議後の記者会見で改めて陳謝し、副大臣を本部長とするイージス・アショア整備推進本部を近く設置することを表明した。

 ミスが判明したのは、防衛省が5月に公表した調査報告書だ。同省は地元秋田の要望を受け、新屋演習場の他に候補地がないか東北地方の国有地計19カ所を調査し、周囲の山がレーダーの障害になるとして9カ所を「不適」と結論付けた。

 だが、国有地から山の頂上を見上げた角度が実際よりも過大に記載されていたことが分かった。

 ミスの原因は、担当者が衛星写真を利用したサービス「グーグルアース」の地図データを基に山の断面図を作成した際、データが山の高さを強調するために縦の長さを拡大していることに気付かず計算したからだ。これに地元住民は猛反発し、職員がその後の住民説明会で居眠りしていたことも怒りに拍車を掛けた。

 こうした状況を受け、知事は10日の県議会で「防衛省の姿勢には甚だ疑問があり、話は振り出しに戻った」と防衛省との協議の「白紙」を表明。「もはや大臣が行かなければ収まらない」(政府関係者)事態となった。

 だが、13日に行われた野党の合同ヒアリングで、新屋演習場にイージス・アショアを配備するには、土地のかさ上げなど津波対策が必要であることが分かった。防衛省は「大きなかさ上げは必要ない」としているが、自衛隊幹部OBからも「本当に新屋演習場が適地なのか疑問だ。新屋演習場ありきで調査をしたと批判されても仕方がない」との声が上がっている。

 「次に間違いをしたら事業が終わる」(政府関係者)との危機感もある。野党は「配備ありきだ」と徹底追及する構えで、与党内では夏の参院選への影響を懸念する声が出始めている。

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