「条例反対 話題にするな」 香港政府 学校、企業に圧力

西日本新聞 国際面総合面

 【香港・川原田健雄】香港で「逃亡犯条例」改正に反対する抗議活動が広がる中、香港政府は賛同者がこれ以上増えないよう学校現場などへの締め付けを強化している。ストライキに参加した教員の処分もちらつかせるが、逆に反発が強まっている。

 中学教師の40代女性は数日前、教育当局から届いたメールに驚いた。「教員は反送中(中国本土への容疑者引き渡しに反対すること)について公の場で話してはならない。署名活動への参加も禁じる」との内容。女性は「デモ参加者には若者が多い。教師の参加だけでなく、生徒たちへの影響を抑える狙いだ」と憤る。

 数万人が主要幹線道路などを占拠し、一部が警官隊と衝突した12日のデモには幼稚園から大学までの教員数千人がストを実行して参加した。民主派団体「民間人権陣線」は17日にもストや授業のボイコットを呼び掛けている。教育当局は無許可で休暇を取ったり、休講したりした教員の処分方針を打ち出す一方、生徒がデモに参加しないよう教員が生徒や保護者に働き掛けることを求めている。

 影響は一般企業にも及ぶ。ある企業は香港政府との関係に配慮し、社員にデモへ参加しないよう通知を出した。関係者は「職場ではデモの話題すら出しにくい雰囲気」と明かす。

 中心部では大規模デモ再開に備え、ボランティアが食料やヘルメットを集会所など十数カ所に保管していたが、うち1カ所が14日、建物所有者によって閉鎖された。当局の圧力とみられる。

 ただ、交流サイト上では「若者が血と汗を流し、未来を懸けて頑張っているのに“暴徒”扱いして恥ずかしくないのか」と当局を批判する教員の書き込みも。103万人(主催者発表)が参加した9日のデモに加わった女性教師(25)は「何もしなければ何も変えられない。香港を中国のように自由のない国にはしたくないから、デモに参加し続ける」と語った。

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