民泊解禁1年 九州1115件 都会に集中、法人の割合増

西日本新聞 総合面

 民家への有料宿泊を認める「住宅宿泊事業法」(民泊新法)の施行から15日で1年。新法に基づく届け出があった住宅数は着実に増え7日現在、全国で1万6319件、九州で1115件に達した。法規制によって問題物件が減少するなどの効果も上がっている。ただ、住宅の半数が東京と大阪に集中しているほか、企業など法人による運営の割合が上昇。訪日外国人旅行者(インバウンド)に「日本各地で住民の暮らしを体験してもらう」としたそもそもの法の理念にそぐわない実態もみられる。

 新法は、東京五輪・パラリンピックなどで不足が予想されるインバウンド向けの宿泊施設の供給を補うとともに、不法滞在など犯罪の温床とも指摘された問題物件を規制で締め出す狙いで施行された。人口減少で増加する空き家や空き部屋を活用し、地域活性化につなげる目的もある。自治体に届ければ、年間180日まで営業できる。

 観光庁によると、住宅数は東京の5550件が最多で、大阪2577件、北海道2293件、沖縄949件、福岡881件が続く。福岡市は780件で、九州の7割が集中する。自治体が受理した営業届は法施行時に比べて全国で8倍、九州で9倍に上っている。

 全件数のうち法人による運営は、昨年7月時点では3割だったが、今年5月には半数に上昇。また、7割がマンションの一室など共同住宅を活用している。

 同庁への5月7日までの報告では、3月末までに全国で約100万人が宿泊。75%は外国人で、そのうちの24%が中国、16%が韓国、10%が米国だった。九州には日本人も合わせて約6万9千人が宿泊。福岡が5万4千人、鹿児島3400人、長崎3200人、熊本2900人と続いた。

 日本旅行業協会の渋川裕之アシスタントマネージャーによると、住宅数が都会に集中するのは物件の供給量が圧倒的に多いためとみられる。九州で福岡市が突出しているのは、アジアからの観光客に人気なのも理由だ。「1泊目は旅館やホテル、2泊目は民泊と、選択肢が広がるのは観光に大きなプラス。今後、効果を地方に拡大するには、山村の空き家の持ち主などへの制度の周知が鍵になる」と話す。

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