べっこう色の幸福 長崎・対馬の和紅茶

西日本新聞 夕刊

つしま大石農園の紅茶 拡大

つしま大石農園の紅茶

 国の天然記念物ツシマヤマネコの里として知られる長崎県対馬市の上県(かみあがた)町佐護地区。大石孝儀(こうぎ)さん(69)、裕二郎さん(37)親子が営む「つしま大石農園」。

 「一杯どうぞ」。裕二郎さんがいれてくれた和紅茶。透明感のある濃いべっこう色だ。春の風を凝縮したような上品な香り。苦味・渋味は少なく、蜂蜜を垂らしたみたいにほんのり甘さを感じる。

 茶畑は緑豊かな森に囲まれた場所にある。県の普及指導員や大学講師を務めた孝儀さんが退職後の楽しみに、「べにふうき」を5500本、「奥みどり」を300本植えたのは2007年。島の89%を森林が占める中、イノシシやシカによる獣害に強く、無農薬・無化学肥料で栽培できる作物として着目したのだった。

 だが、初めて収穫して、緑茶にしてみたら、どうにも渋い。そこで紅茶に加工したところ、周りからおいしいと評判に。16年、東京で開かれた「シングルオリジンティー・フェスティバル」のコンテストで、国産紅茶50品の中から、第2位の金賞を受賞した。

 ていねいに手摘みされた茶葉は、寝かせた上で工場へ。もみ込み、発酵、乾燥などの工程を経て、ようやく和紅茶に仕上がるのだという。裕二郎さんは「味、色、香り、三拍子そろった茶葉にするため、試行錯誤の連続です」。

 11月には、来島者に農業体験やサイクリングなどを楽しんでもらおうと、農家民泊も始めるそうだ。

 ▼つしま大石農園 紅茶は50グラム756円、ティーバッグ8個入り486円。ユズ皮を乾燥して粉砕した「ゆずの素」(18グラム486円)も人気。注文はファクス=0920(84)5176か、ホームページ=https://tsushimasago.base.shop/=で。

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