プラごみ対策、日本は世界に大きく後れ 欧州など製品使用禁止へ

西日本新聞 総合面

 20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合は15日、長野県軽井沢町で開幕し、プラスチックごみの海洋汚染対策を主要テーマに議論が始まった。ただ、日本の1人当たりのプラごみ排出量は世界第2位。国内対策も使い捨てプラ製品の使用禁止を打ち出した欧州などに比べて大きく後れを取っている。国際的な枠組み合意に向けた議論を主導できるか、議長国としての手腕が問われる。

 「汚染のない世界の実現を目指し、海洋プラごみ問題への具体的な取り組みを世界に先駆けて実行、共有する」。原田義昭環境相はこの日の会合でこう述べ、国内対策の進展に胸を張った。

 政府は5月末、プラごみの海洋流出を減らす行動計画をまとめた。使い捨てプラごみの排出量を2030年までに25%削減する数値目標を設定。今月に入ると、コンビニなど小売店でのプラ製レジ袋の無償配布を禁止する方針を表明し、G20に向けたアピールに努めた。

 ただ、会合の直前に注目を集めたのはカナダだった。トルドー首相は10日、使い捨てプラ製品の使用を21年にも禁止すると発表。欧州連合(EU)などと並ぶ意欲的な内容で、プラごみ削減をけん引する姿勢を印象づけた。日本政府関係者は「日本の影が薄まった感がある」と唇をかむ。

■80カ国超有料化

 そもそも日本のプラごみ対策は国際的な潮流に乗り遅れてきた。

 昨年6月の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)では、海洋プラごみの削減に向け数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」への署名を米国とともに拒否し、環境団体などから批判を浴びた。

 レジ袋の有料化は長らく民間企業に任せきりで、政府としての取り組みは緒に就いたばかり。世界に目を向ければ、既に80カ国以上が有料化を導入しており、韓国や中国、インドなどアジアでも使用を制限する国は少なくない。

 日本の1人当たりプラごみ排出量は米国に次ぐ世界第2位で、総量は年間約900万トン。近年は飲食店やホテルなどでプラ製品の使用自粛が進むものの、政府として消費者の意識転換を促す抜本策に踏み込めていないのが現状だ。

■規制で国内滞留

 政府が目指すプラごみ削減は、代替製品の導入で使用量を緩やかに減らしつつ、リサイクル効率を向上させる‐というものだ。

 だがプラごみは既に行き場を失いつつある。

 プラごみの再生利用にはリサイクルを目的にした外国への輸出も含まれるが、最大の受け入れ国だった中国が17年に輸入を停止。東南アジア各国にも規制の動きが広がり始めた。プラごみは国内で滞留し、環境省が緊急避難として自治体に焼却処分を要請する事態になっている。

 日本のプラごみの有効利用率は8割と高いが、発電用に焼却する「熱回収」が約6割を占め、温暖化対策の観点から批判もある。

 環境保護団体グリーンピース・ジャパンは「政府方針はプラごみ発生量を削減するという最も重要な点が不十分。使い捨てプラスチックの生産、消費の大幅削減を行動計画に盛り込むべきだ」と指摘する。

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