炎に包まれたノートルダム大聖堂の尖塔(せんとう)をテレビで見た時

西日本新聞 社会面

 炎に包まれたノートルダム大聖堂の尖塔(せんとう)をテレビで見た時、山口支局にいた28年前、夜火事で焼け落ちた山口サビエル記念聖堂の姿が頭に浮かんだ。再建を願う募金が全国から寄せられたが、教会側が示した再建案は火災前とは別物のモダンなデザイン。当時「元通り」を期待した市民には不評だったのを思い出す。

 古い街並みを守るか、新しい建築物を許容するかは街づくりの「あるある」課題。パリの尖塔も、斬新な再建案が浮上する一方、あくまで火災前の再現を求める声も根強いと聞くが、信仰の場である以上、部外者の郷愁ばかり押し付けるわけにもいかない。

 福岡市でも歴史的な街並みを生かした博多旧市街構想が進むが、生活の場に「旧」の冠が載せられたことに微妙な思いを抱く博多っ子もいる。賛否に揺れた山口の聖堂は今や市民に愛されるランドマーク。博多旧市街も「旧」と「新」がうまく溶け込むような街になればと思う。 (益田孝)

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