香港政府、逃亡犯条例改正を延期 「年内不可能」撤回は否定

西日本新聞 一面

 【香港・川原田健雄】香港政府トップの林鄭月娥行政長官は15日、記者会見を開き、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の審議を延期すると発表した。「年内に審議入りするのは不可能」との見通しを示す一方、「改正の撤回ではない」と強調した。大規模な抗議デモが相次ぎ、警察と激しく衝突する事態を受けて香港政府が沈静化を図った形だが、改正撤回を求める市民との隔たりは大きく、火種は残ったままだ。

 今月末には大阪で開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が控えており、今回の延期は同サミットに出席する習近平国家主席が国際社会の批判の矢面に立たされる事態だけは避けたい中国政府の意向が働いたとみられる。

 国営通信新華社によると、中国政府は延期決定を「支持する」との談話を発表した。

 林鄭氏は会見で「(改正案の)説明が不十分だった。香港社会に深い分断が生じたことを悲しく、残念に思う」とし「責任ある政府として速やかに平静を回復する必要がある」と指摘。期限を設けずに審議を延期する方針を示した。今後、各界の意見を聞いた上で改正案を修正し、立法会(議会)に提案するという。

 香港紙の星島日報によると、林鄭氏は最近、中国最高指導部内で香港政策を担当する韓正副首相と広東省深〓で今後の方針を協議。その後、14日に香港政府幹部らを集めた会議で延期について話し合った。

 同条例改正案を巡っては9日、民主派団体が呼び掛けた抗議デモに若者を中心とする市民約103万人(主催者発表)が参加。改正案の審議入りが予定されていた12日にも数万人が主要幹線道路などを占拠し、一部が警官隊と衝突した。立法会は12日から3日連続で審議を見送り、当初予定していた20日の改正案採決は困難との見方が広がっていた。

※〓は「土ヘン」に「川」

PR

最新記事

PR

注目のテーマ