育児に積極的な男性を指す「イクメン」という言葉もずいぶん定着した…

西日本新聞 オピニオン面

 育児に積極的な男性を指す「イクメン」という言葉もずいぶん定着した。動物界きってのイクメンといえば、暖かい海にすむタツノオトシゴか。名の由来となった竜や馬を思わせる顔と直立して泳ぐユニークな外見で知られるが、その子育てにも驚かされる

▼オスのおなかには育児嚢(のう)という器官があり、メスはこの袋の中に卵を産み付ける。オスは卵が稚魚になるまで、おなかの中で大切に育てるのだ。稚魚が外に出る時はオスが出産しているようにも

▼タツノオトシゴは夫婦の仲もむつまじい。魚類には珍しく、1匹のパートナーと生涯添い遂げるそうだ。オスとメスが向かい合いダンスするような姿もしばしば見られるという

▼人間の男性は妊娠や出産の分担はできないけれど、出産・育児休暇を取ってパートナーを助けることはできる。国連児童基金(ユニセフ)によると、こうした子育て支援のために取得できる有給休暇の期間は、調査した41カ国で日本が最も長かった

▼「ただし」とユニセフの専門家。「実際に取得する父親は非常に少ない」。制度はあっても、それを受け入れる社会の環境が整っていないからだ

▼きょうは「父の日」。父親に感謝する日だが、世のお父さんたち、日頃の自分を顧みて、家族に敬愛されているという自信はおありだろうか。海のイクメンに「まだまだヒトのオスは努力が足りないね」と言われぬように。自戒を込めて。

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