十四代沈寿官さん死去、92歳 薩摩焼窯元、日韓交流に尽力

西日本新聞 一面

 薩摩焼窯元の十四代沈寿官(ちん・じゅかん、本名大迫恵吉=おおさこ・けいきち)さんが16日午後3時20分、肺炎のため鹿児島県いちき串木野市内の病院で死去した。92歳。鹿児島県日置市出身。自宅は同市東市来町美山1715。通夜は18日午後6時から、鹿児島市大竜町10の2、吉田葬祭典礼会館で。葬儀・告別式は未定。喪主は長男の十五代沈寿官(本名一輝=かずてる)さん。

 文禄・慶長の役(1592~98年)を経て島津氏が朝鮮半島から薩摩に連れ帰った陶工を祖とする、沈寿官窯に生まれた。父親の十三代から、乳白色の陶器に繊細華麗な色絵付けを施した白薩摩の技法を学んだ。1964年、父の死去に伴い、十四代を襲名した。

 鹿児島市の旧制中学に通っていた少年時代に差別を受け、薩摩焼の顔として多くの職人を率いながら、日韓の相互理解に尽くした。韓国を訪れるツアーを主催するなど草の根の交流に努め、89年には日本で初めて韓国名誉総領事となった。

 作家の司馬遼太郎氏とも交流があり、同氏の短編「故郷忘(ぼう)じがたく候」のモデルにもなった。98年に薩摩焼400年祭を終えたのを機に、翌99年、長男一輝さんに十五代を襲名させ、技術指導に当たっていた。2010年には旭日小綬章を受章した。

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