天気予報は戦争との関係が深い…

西日本新聞 オピニオン面

 天気予報は戦争との関係が深い。初めて予報図を作った国はフランス。クリミア戦争中の1854年、暴風に遭い艦船を失ったことを教訓にしたという

▼ワーテルローの戦いでナポレオンは悪天候のため作戦変更を迫られ、敗れた。週間予報でもあったなら歴史は変わっていたかも。日本も戦中は敵機の爆撃を利するからと天気予報の発表が禁止に。国民に台風接近も知らされず、甚大な被害が出たこともあった

▼科学技術の進歩で近年の予報は格段に精度が上がった。加えて今季からは大雨時の避難情報をより迅速、簡潔に伝える運用を始めた。被害防止の心強い味方である

▼けれども。私たちが一番欲しいのは「わが身はどう行動すべきか」ということ。いくら情報が細分化したといっても、人それぞれの現況に応じた対応を指示することは、まだ不可能だ

▼同じ区域に避難勧告が出ても、家は高台か平地にあるかで事情が異なる。裏山や河川、避難場所に近いかどうかの条件でも違う。いつ、どう動くのが最善かは個々人の判断となる

▼であれば私たち一人一人が「わが家の防災専門官」でありたい。近所で雨に弱い場所はどこか。どの程度の雨が降れば危険度はどう増すか。コンピューターの解析と合わせて、長年の経験も貴重な判断材料だ。磨きたいのは日ごろの備えと目、耳、鼻で異常を予見する力。科学の助言を頼りにしても、頼り切るのではなく。

PR

PR

注目のテーマ