<26>リスク高まる性感染症

西日本新聞 くらし面

2018年の性別・年代別梅毒患者報告数 拡大

2018年の性別・年代別梅毒患者報告数

 <こうしてこうすりゃこうなるものと知りつつこうしてこうなった>。意味深な都々逸を思い浮かべることがあります。「飲んだ勢いで、つい」「先輩に誘われて…」。まあ大丈夫だろうと遊んでしまった人たちが、何か体がおかしいと感じ、病気がうつったのではないかと受診されたときです。

 性感染症は、性行為で誰もが感染する危険性のある病気です。クラミジア、淋病(りんびょう)、尖圭(せんけい)コンジローマ、性器ヘルペス、エイズなど多くの種類があります。性器や口腔(こうくう)による性的接触で、細菌やウイルスなどの病原体が皮膚に付着し、また皮膚の小さな傷や尿道、膣(ちつ)から体内に入って感染します。ただ、感染しても軽い症状にとどまる場合があるので、医療機関へ受診せず、治療につながりにくいという特徴があります。そのため性感染症が広がってしまいます。

 性感染症の一つの梅毒は、ペニシリンという特効薬によって完治できるようになり、日本では年間患者報告数が500人前後まで減少していました。過去の病気というイメージだったのですが、2010年以降、患者数が増加に転じ、18年は7001人に。感染リスクが急速に高まっています。

 「泌尿器科は尿道に綿棒を突っ込んでぐりぐりする」は昔のこと。今は外陰部の診察と血液や尿の検査で性感染症の診断ができます。痛い検査はありませんし、泌尿器科医は男心を理解しています。ご安心ください。

 <医者を殺すにゃ刃物はいらぬ朝昼晩と梅を食え>。蒸し暑い梅雨時季は、クエン酸を多く含む梅干しを食べて体調を整えることが大切です。けれども梅だけでは性感染症を予防できません。パートナーを限定し、必ずコンドームを使いましょう。性行為の後、いつもと違う症状が出たり、性感染症が心配になったりしたときは、早めに医療機関で検査を受けてください。

 (泌尿器科医・池田稔)

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