大洪水時に住民救ったムクノキ守る 地元有志が霊木祭り 日田市

西日本新聞 大分・日田玖珠版

 過去の大水害で多くの人命を守った日田市若宮町の樹齢300年を超えるムクノキの下で、「霊木祭り」があった。梅雨入りを前に、関係者は「霊木」とあがめるムクノキに感謝し、後世に伝えていく決意を新たにした。

 ムクノキは、三隈川沿いにあり、高さ約30メートル。日田市の指定保存樹となっている。明治や大正時代に起きた大洪水では、人々はこの大木に登ったり、木につないだ舟に乗ったりして助かり、その人たちの子孫が今も拝みに訪れるという。1953(昭和28)年の大水害後、河川改修工事で一時は木を撤去する話が持ち上がったが、地元住民の関係官庁への働き掛けで伐採を免れた。

 祭りは明治時代から続く恒例行事。地元の高齢者グループ「若竹会」が開いていたが、会員数の減少により解散したため、3年前からは地元有志でつくる「椋の霊木保存会」(太郎良収明代表)が行っている。同会は祭りの他、ムクノキ周辺の清掃を行い、近くの若宮小では地域学習の一環として、子どもたちに説明をして保存・伝承活動を続けている。

 今年の祭りは16日にあり、会員9人が集まって神事が行われた。ムクノキの大きく張り出した枝は今も青々とした葉に覆われ、生命力に満ちている。太郎良さんは「多くの人の命を救ってくれた霊木を責任を持って守り、後世に伝えていきたい」と話していた。

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