「ばね技術遺産」に認定 田中久重のからくり人形

西日本新聞 筑後版

ばね技術遺産に認定された「弓曳き童子」(久留米市教育委員会提供) 拡大

ばね技術遺産に認定された「弓曳き童子」(久留米市教育委員会提供)

ばね技術遺産に認定された「文字書き人形」(久留米市教育委員会提供)

 江戸後期から明治にかけて活躍した久留米市出身の発明家、田中久重(1799~1881)が開発したからくり人形2体(久留米市教育委員会所蔵)がこのほど、ばねに関する研究者や技術者でつくる日本ばね学会(東京)から「ばね技術遺産」に認定された。

 ばね技術遺産は、同学会が2013年度に認定を始めた。明治から昭和にかけて、ばねの技術や業界の進歩に大きく寄与した機器・文献を対象にしており、18年度までに54の機器・文献が認定されている。

 2体は弓を取って的に射る「弓曳(ひ)き童子」と、筆に墨を付けて「寿」「松」「竹」「梅」の文字を書く「文字書き人形」。いずれも1830~40年代の制作で、真ちゅう製のぜんまいばねを動力としている。

 同学会は認定理由の中で「(ぜんまいの動力を伝える)カムやさざえ車、繰り糸を組み合わせた構造で、精緻かつ柔らかな動きを再現している。今日の機械・ロボット機構につながる技術であるとともに、工業化以前のばね技術を伝える貴重な歴史的遺産」と高く評価している。認定証の贈呈式は4日、都内で行われた。

 市文化財保護課の白木守課長補佐は「一つ一つの部品が持つ技術の高さ、素晴らしさがあらためて証明された」と話した。「弓曳き童子」は13年に日本機械学会の「機械遺産」にも認定されている。

 田中久重は「からくり儀右衛門」「東洋のエジソン」とも呼ばれ、国産初の実用蒸気船や万年時計の開発にも携わり、東芝の創業者としても知られる。

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