「手帳交付に時間かけた」 長崎市長、元徴用工被爆者に謝罪

西日本新聞 長崎・佐世保版

 戦時中に三菱重工業長崎造船所(長崎市)に徴用され、1月の長崎地裁判決で被爆者と認められた金成洙(キムソンス)さん(93)=韓国・釜山市=が18日、田上富久長崎市長と面会した。判決後、初めて訪日した金さんに対し、市長は被爆者健康手帳交付までに時間を要したことを謝罪した。

 金さんは2015年に市に手帳交付を申請したが「被爆の事実を認める証拠がない」として却下されたため、提訴に踏み切った。地裁判決は、具体的な証拠が確認できない中で、金さんを含む元徴用工3人の証言の信用性を積極的に評価。市は控訴せず、1月末に韓国で手帳を手渡した。

 金さんは、支援者らに合うために16日に来日。この日は長崎市役所を訪れ、市側に手帳交付への謝辞を伝えた。田上市長は「裁判を経ての交付となり、長い時間をかけてしまったことを本当に申し訳なく思う」と述べた。金さんは、造船所近くの防空壕(ごう)から原爆の閃光(せんこう)を見たという被爆体験を改めて語り、自身は「(被爆の)生きた証人だ」と強調した。

 同席した「在外被爆者支援連絡会」の平野伸人共同代表(72)は、被爆者認定について、地裁判決を踏まえた柔軟な対応への転換を要請。田上市長は、時間の経過で被爆を裏付ける直接的な資料が限られる状況に言及した上で「大変ではあるが極力、資料を探していきたい」と述べるにとどめた。

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