山笠の先人しのぶ資料展 櫛田神社の博多歴史館 初公開含め50点超

西日本新聞 ふくおか都市圏版

西島伊三雄さんが描いた観光ポスターの原画 拡大

西島伊三雄さんが描いた観光ポスターの原画

幕末に描かれた福神流の山笠の下絵。福岡藩の許可を得るために提出された

 博多祇園山笠(7月1~15日)の開幕を前に福岡市博多区上川端町の櫛田神社・博多歴史館で山笠をテーマにした初めての企画展が開かれている。戦後、福岡市の復興と山笠復活に尽力した先人たちの心意気がしのばれる観光ポスター原画をはじめ、神社の神庫に眠っていた初公開の資料など50点以上が並ぶ。9月8日まで(一部展示替え)。

 歴史館は1974年の式年遷宮を記念して開館。山笠の関係資料や神社に残る古文書などを常設展示してきた。職員が神庫を整理するうち、九州を代表するグラフィックデザイナー西島伊三雄さんが描いた観光ポスター原画(51年)▽古き良き博多の風俗を描いた日本画家・祝部至善さんのポスター原画(50年)▽一番からの山笠順位を記した祇園うちわの下絵(同)‐などが次々と見つかった。貴重な資料の数々を市民に見てもらいたいと、阿部憲之介宮司(66)らが企画展開催を思い立った。

 戦後の物資が乏しい時代、観光ポスターは西鉄や旧国鉄の各駅、県内主要都市に張られ、江戸時代から続く祇園うちわも2万本が配られている。51年には前年より200万人増の500万人の観光客誘致を目指して告知イベントを神社で開催。一日も早い福博の復興を願う博多っ子の熱意の表れという。

 西島さんの原画は舁(か)き手のダイナミックな動きを精密に表現。祝部さんの原画には高い山笠を舁いていた明治時代の名残を残す電線上げ棒が描かれている。

 幕末の安政5(1858)年、今は無くなった福神流(ながれ)・魚町上が奉納した山笠の下絵も展示。当時、福岡藩の許可を得るため事前に下絵を藩に提出した。山笠の完成後には彩色が施されたびょうぶ絵が描かれた。年は異なるが、びょうぶ絵が並べてあり、時代の変遷もうかがえる。

 阿部宮司は「山笠が始まって778年。伝統を残そうとする先人の思いを記す1ページとなれば」と話している。

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