福岡大空襲、火の街逃げる4歳 朗読劇に 東区の高齢者団体 25日に披露

西日本新聞 ふくおか都市圏版

戦争体験を語り継ごうと、25日の本番に向け、熱心に朗読劇の練習に取り組む東区の高齢者グループ 拡大

戦争体験を語り継ごうと、25日の本番に向け、熱心に朗読劇の練習に取り組む東区の高齢者グループ

福沢信子さん

 19日は74回目の福岡大空襲の日‐。戦争体験を語り継ごうと、福岡市東区の平均年齢75歳の高齢者グループが福岡大空襲で燃えさかる街中を逃げ惑った当時4歳の少女の体験を元にした朗読劇を25日午後1時から香椎公民館で披露する。入場無料。18日も熱のこもった練習に取り組んだ。

 グループは香椎公民館を拠点に活動する高齢者のお楽しみ会「ふれあいサロン」のメンバー20人。4年前から長崎原爆など「平和」をテーマに取り組み、今年は初めて福岡大空襲を題材にした。

 脚本は会メンバーの同区香椎駅前の麻生貴美子さん(73)。当時、博多区店屋町に自宅があった福沢信子さん(78)=同区香椎=に話を聞き、資料を調べ、米軍機の焼夷(しょうい)弾で火の海となった福博の街を逃げ惑う母子の様子を描いた。

 伝えたかったのは一般市民も巻き込んだ戦争の恐ろしさ。登場人物のせりふに博多弁の「えずか」(怖い)を多用。この日の練習ではそれぞれの場面に合った歌やピアノ演奏の効果もあり、臨場感たっぷりの朗読劇に仕上がっていた。

 福沢さんは母と姉2人で自宅から、現在の博多座(博多区土井町)にあった銀行のビルに逃げ込んだが、大勢の人が押し寄せてきたため、博多駅近くを転々とし、翌日に何とか糸島市の親類宅にたどり着いた。小学生の頃、銀行のビルでは大勢の人が亡くなったと知らされた。

 「人の生死は紙一重。私たちもあのまま銀行にいたら、今はなかった」と、この日の練習を見学した福沢さん。大空襲で自宅を焼失、父親も仕事をなくし、戦後は貧しい暮らしだったという。「朗読劇は恐ろしかった気持ちを上手に表現してくれている。孫たちに二度と戦争の恐怖や悲しみ、苦しみを体験させたくない」。あの日の記憶が鮮明に残る戦争体験者は毎年、こう願っている。

現代の視点で福岡大空襲を再編集した紙面(2015年作成)は、こちらからご覧いただけます。

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