新宗像市史、豊かな生物紹介 第1弾「地理・自然」を発刊

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 宗像市が編さんする「新修宗像市史」の第1弾、「うみ、やま、かわ‐地理・自然」が発刊された。海山に囲まれた市の豊かな自然環境を地形や地質、生物の種類などで紹介。昆虫の一種・コウチュウの新種が多く見つかっていることや、世界遺産・沖ノ島に生息する貴重な鳥類が、人が媒介したネズミの侵入で甚大な被害を受けたことなど、興味深いトピックを見ることができる。

 2003~05年にかけて旧宗像市、玄海町、大島村が合併して誕生した現在の宗像市。旧市町村がそれぞれに史誌を刊行していたが、最も古い「玄海町誌」は40年が経過している。また17年には「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界文化遺産になるなど新しい歴史も加わった。同市は22年度までに全6巻の新修市史を順次刊行する予定だ。

 通史中心ではなく、自然、対外交流、生活史などテーマ別に編集した点が特徴。市の現在の姿をさまざまな視点から掘り下げており、編集担当者は「調べ学習などで子どもたちにも大いに親しんでもらいたい」としている。

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 「うみ・やま・かわ」はB5判564ページ。「動物」分野の調査では、約1500種類の生物を確認した。

 このうち約千種がコウチュウで、ホンドコハナコメツキ(大島で発見)、ジョウヤマツチゾウムシ(城山で発見)など20の新種も見つかっている。海岸の砂丘、神社境内、山中などいろいろな場所で確認されており、海流に乗ってやってきた思いがけない侵入種もいる。

 禁忌により入島が制限される沖ノ島の生態も紹介。10万羽以上いるオオミズナギドリは宗像ではオガチと呼ばれ、この鳥が集まる海域に魚の群れがいることから漁師に親しまれてきた。地表から飛び立てないため、ゾロゾロと列をつくって木に登っていく。

 同じく沖ノ島に来る渡り鳥のヒメクロウミツバメ、カンムリウミスズメは岩の隙間で繁殖する。ただ、漁船に紛れ込むなどして島に入った捕食性のドブネズミにより数が減ってしまった。現在はネズミの駆除により個体数の回復を図っているという。

 販売価格は税込み3千円。市史編集委員会=0940(62)0211。

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