夏祭りは浴衣で

西日本新聞 くらし面

階段の上り下りでは、裾を踏まないように右手で浴衣をつまみ上げる 拡大

階段の上り下りでは、裾を踏まないように右手で浴衣をつまみ上げる

福岡市の櫛田神社に奉納された飾り山笠 七夕には、天の川の流れや織り姫の織る糸に見立ててそうめんを食べる地方もある=「五色そうめん森川」提供

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第3水曜は、さまざまな場面のマナーについて「インフィニ フィニッシング アカデミー」(福岡市)の福校長本多美智子さんにお助けいただきます。

 ▼神事と観光

 6月も後半となり夏祭りが待ち遠しい時季です。夏の代表的な祭りといえば、博多祇園山笠、京都の祇園祭、愛知の尾張津島天王祭などが知られています。

 夏祭りの特徴は、にぎやかさと華やかさ。優美で華麗な装飾を凝らした衣装なども目を引きます。これらは、もともとは疫病や災厄をはらうための祭りだったようです。今回は夏祭りと七夕、それにふさわしい浴衣のマナーをお話します。

 800年近い歴史がある博多祇園山笠は、毎年7月に福岡市で開催されます。山笠が奉納される櫛田神社は「お櫛田さん」の愛称で親しまれていますね。

 高さ約10メートルの飾り山笠は、博多人形師が描く夢幻の世界が表現されています。豪華な飾り山笠、法被に締め込み姿の男たちの躍動、見物する人たちの熱狂が、憂いを吹き飛ばしてくれるのです。

 ▼七夕の伝説

 七夕は、陰暦7月7日の夜、天の川の両岸にいる彦星(ひこぼし)と織り姫が一年に一度会うという、古代中国の伝説から生まれた行事。短冊に願い事を書いてササにつるします。

 七夕の時季は小麦の収穫期と重なるため、収穫に感謝し、小麦が原料の索餅(さくべい)やそうめんなどを食べます。索餅は、長崎で「よりより」の名前で親しまれているお菓子。そうめんのルーツともされています。古代中国には「7月7日に水死した帝の子が、霊鬼となって病害を流行させた。そこで、その子の好物だった索餅を供えたところ、病害が収まった」との伝説もあり、無病息災を祈って、七夕に索餅を食べるようになったそうです。

 そうめんは、天の川の流れや、織姫の紡ぐ糸に見立て、機織りの得意な織り姫にあやかって裁縫の上達を願うともいわれています。中国の陰陽五行説に基づき、魔よけの意味もある青、赤、黄、白、黒(または紫)の五色を使ったそうめんを食べる地方もあります。

 ▼浴衣のマナー

 浴衣は、平安時代に貴族が入浴の際に着た「湯(ゆ)帷子(かたびら)」が起源とされ、「ゆかた」の語源ともいわれます。江戸時代には、湯上がりの着物として、木綿の浴衣が庶民の間でも流行したそうです。そもそも素肌にまとう寝間着として着られていたのですね。

 普段着浴衣の場合、肌着の上に直接着て半幅帯を締め、素足にげたを履きます。よそ行き浴衣の場合は、必ず夏素材の半襟をつけた長じゅばんを着て、白足袋を履きます。

 丈は、女性はくるぶしが隠れる程度、男性はくるぶしにかかるくらいが適当です。歩くときは背筋を伸ばして顎を引き、小さな歩幅で。普段の歩幅だと、すぐに着崩れてしまいます。階段の上り下りでは、裾を踏まないように右手で浴衣を少しつまみ上げます。車に乗るときはお尻から乗り、次に両足をそろえます。食事のときは、たもとに注意。食卓の物を取る場合は、もう片方の手でたもとを押さえましょう。

 浴衣姿の動きは「小さく、ゆっくり」が基本。今年は、浴衣を着て夏祭りを楽しんでみませんか。

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