駆除のシカ皮で特産品 八代市東陽町の農家や主婦ら

西日本新聞 熊本版

シカの皮を素材に手作りした多彩な製品 拡大

シカの皮を素材に手作りした多彩な製品

公民館に集まって製品を作る東陽鹿クラフト倶楽部の女性たち

 シカによる農作物の被害に悩む八代市東陽町の農家や主婦らが、害獣対策で駆除されたシカの皮で名刺入れなどの小物を作る「東陽鹿クラフト倶楽部(くらぶ)」(赤崎鐵男代表、11人)を結成し、今春から本格的に販売を始めた。シカ皮の良さを伝えながら対面販売をしている。メンバーは「いただいた命を大切に使い、新たな東陽ブランドとして町の魅力を発信したい」と意気込む。

 東陽町は「ショウガの里」として知られるが、近年、ショウガ畑にシカが侵入して新芽を食べたり、菌を持ち込んでショウガを腐らせたりする被害が拡大。毎年、数百頭のシカが駆除され、大半が山中で埋設処理されている。

 駆除後のシカを有効利用できないか考えた東陽支所職員の黒木亮太さん(36)らが、牛革加工が趣味の友人に試作品を依頼するなどして準備を進め、昨年1月、倶楽部を結成。中心は地元の主婦や会社員、市職員ら女性6人で、製品の企画から製作、販売までを担う。シカをわなで捕らえて皮を剥ぐ工程は、有害鳥獣駆除の資格がある農家の男性2人が担当。皮なめしと染色は、東京の加工会社が環境配慮型の「エコレザー」の基準で行っている。

 製品は名刺入れやブックカバー、ペンケース、キーホルダー、ピアス、ヘアゴムなど10種類以上。女性たちが毎月2回、夜に集まって手作りするほか、材料を持ち帰り、仕事や家事の合間に2週間~1カ月で一つの製品を仕上げる。手になじむ柔らかさが特徴で、価格は名刺入れなど高いものが5千~6千円、アクセサリー類が1000~1500円。

 販売は約2カ月に1回、熊本市中央区上通町のびぷれす広場で。元々の傷も「自然の風合い」として製品に生かしていることなどを直接説明し、納得してもらった上で手渡す。

 メンバーで書道家の太江田久子さん(76)は「命に感謝し、皮の端っこも無駄にしないように製作している。実際に触ってシカ皮の優しさを感じてほしい」と話した。

 販売日の問い合わせは東陽支所=0965(65)2114。

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