サルいつ去る? 住宅街に居座り2カ月 佐賀市諸富町

西日本新聞 佐賀版

諸富町為重や寺井津の両地区に居座っている野生のサル。あちこちの民家にあるビワを食料にしているようだ(野口恵二さん提供) 拡大

諸富町為重や寺井津の両地区に居座っている野生のサル。あちこちの民家にあるビワを食料にしているようだ(野口恵二さん提供)

 筑後川の下流域、平野が広がる佐賀市諸富町為重付近の住宅街に野生のサルが2カ月近く居座っている。山間部から遠く、水路が張り巡らされる一帯だが、サルは民家の軒先にあるビワを食べ、点在する空き家を寝床にしているとみられる。今のところ人的な被害はないが地域住民には不安も広がっており、「いつになったら立ち去るのか」との声もあがる。

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 地元のノリ漁師、野口恵二さん(66)がサルを目撃したのは1週間ほど前の早朝。庭でガサガサという音を聞き、隣の敷地に顔を向けると、揺れるビワの木からサルがひょっこり顔を出した。

 野口さんは5~6メートルの距離からスマートフォンで撮影。距離を縮めたところ、サルは威嚇するような鋭い目つきとなったため、とっさに虫よけスプレーを手にとると、一目散に屋根の上に逃げたという。「ここで60年以上暮らすがサルを初めて見た」。野口さんは驚いた様子で語った。

 市環境政策課によると、諸富町での目撃情報は4月30日以降、約50件に上る。「1匹だった」「親子2匹だった」という情報があるが定かではなく、同課職員は「少なくとも群れではないようだ」と話す。

 サルが居座る理由はいくつか考えられる。一つ目の要因は安定した食料だ。出没地域は為重や寺井津の両地区に集中。地区にはビワの木のある民家が多く食料にしているようだ。

 二つ目は空き家。その屋根の上で寝る姿が度々目撃されている。地元の市議は「空き家が多い地域。すきまから室内に入り、寝床にしているのだろう」。

 佐賀市では、山間部の富士町周辺で頻繁にサルが目撃される。ところが昨秋、平野部の同市久保泉町から「サルが柿を食べていた」との情報が寄せられ、3月以降、神埼市千代田町付近や佐賀市蓮池町、北川副町に出没。目撃情報はだんだんと南下していた。蓮池町では「サルとカラスがケンカしている」との情報があり、同課職員は「カラスから逃れ、諸富町にたどり着いたのかも」と分析する。

 現時点でサルによる人への危害は確認されていないが、地域には不安もある。市は対策として5月中旬、為重と寺井津の両地区の2カ所にわなを設置したがひっかからない。担当者は「捕まえようにも、住宅の屋根伝いに移動され追うのは至難」とお手上げ状態だ。

 地元では、ビワの季節が間もなく終わることから、サルは移動するという見方があるが、夏にはスモモが実り、ブルーベリーやトマトを庭で栽培する家庭も多く、今後も居座るのではとの声もある。市は「エサになりそうなものを屋外に置かない」「サルに遭遇しても目を合わせないで」と注意を呼び掛けている。

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