ミニ路面電車再現発車!! 北九州市の藤井さん半年かけて完成

西日本新聞 北九州版

 「チンチン」との鐘の合図で多くの北九州市民に親しまれ、2000年に全廃された「西日本鉄道北九州線」の路面電車の歴史を、子どもたちをはじめ多くの世代に伝えていこうと、八幡東区竹下町の藤井英雄さん(78)が、実物を再現した「走るミニ路面電車」を製作した。少年時代から鉄道ファンという藤井さん。「同世代に懐かしさを、子どもたちには夢を感じてほしい」と、約半年間かけて完成させた。 

 路面電車は門司‐折尾間など、4路線計44・2キロにわたり市内を駆け抜けた。「子どものころは、どこに行くにもチンチン電車が足だった」。藤井さんは振り返る。路面電車に乗るときは、運転士の隣に立つのが定位置。手の動きを見て操作方法をまねてみた。

 高校卒業後、八幡製鉄所でクレーン車の運転手として働いた。定年退職を控えた00年、マイカーの普及で路面電車の需要が減り、北九州線が全廃に。「チンチン電車が人々の記憶からなくなるのが寂しい」と今年1月、模型作りに着手した。

 設計図はない。そこで、門司区東港町の駐車場に保存展示されているワンマンの路面電車100形148号(全長約12メートル、幅約2・3メートル、重さ約17トン)を実測することから始めた。85年に引退した148号は、レトロな雰囲気が漂うベージュと茶色のツートーン。「職人の技が光る当時の最先端のデザイン」と藤井さんは絶賛する。

 完成した「走るミニ路面電車」は、全長約1・5メートル、幅約30センチ、重さ約30キロ。実物の8分の1スケールだ。ベニヤ板を切り、接着剤でつなげていった。接ぎ目を丸くするために薄い板を2枚重ねて少しずつ曲げながらかんなで削った。そして、車体には動力装置を取り付けた。屋根には前進と後退を切り替えるスイッチとスピードを調整するレバーを付け、またがって操作できる仕様にした。

 「スピードは3キロ程度。動くことに意味がある」とうれしそうに話す。

 藤井さんはこれまでにも、蒸気機関車(SL)や豪華寝台列車「ななつ星in九州」など15台を再現してきた。小倉南区で春に開かれる子どもまつりや、八幡東区の市立児童文化科学館などで、ミニ鉄道に子どもを乗せて走る「乗車会」を30年以上続けている。

 148号のお披露目は、夏休みに市立児童文化科学館で予定する。「子どもたちは電車を楽しみ、孫を連れてきたシニア世代はノスタルジックな気持ちになってもらえばうれしい」。顔をほころばせる。

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