日韓友好担う箱崎中 九州から4年ぶり公立中修学旅行

西日本新聞 ふくおか版

箱崎中の生徒が交流する東山女子中では歓迎式も開かれる予定(昨年8月の交流事業) 拡大

箱崎中の生徒が交流する東山女子中では歓迎式も開かれる予定(昨年8月の交流事業)

福岡市と、韓国・順天(スンチョン)市の位置関係が分かる地図

 福岡市東区の箱崎中が来年の修学旅行で韓国南部の順天(スンチョン)市を訪れる。韓国内の世情不安や歴史問題による日本との関係冷え込みから、九州の公立中では2016年を最後に韓国への修学旅行は途絶える。箱崎中では校区住民の地道な交流が礎となって中学生の修学旅行が実現。「異文化を理解し、互いを尊重できる国際人になってほしい」と関係者は期待を寄せている。 

 箱崎中は来年5月12~14日の2泊3日で、今の1年生約150人が訪問。同世代との交流や韓国の歴史にも触れる。きっかけは、地元の東箱崎校区自治連合会が5年前から続ける交流だった。地区で暮らす韓国人と住民の交流が、互いを行き来するホームステイ事業に発展し、冬に順天市の東山女子中の生徒が日本を、夏に箱崎中の生徒が韓国をそれぞれ訪れるようになった。これまでに約30人が参加。継続するうちに学校間の交流に拡大した。

 韓国への公立中の修学旅行は14年4月、修学旅行中の高校生ら約300人が犠牲になった旅客船セウォル号沈没事件や、翌年の中東呼吸器症候群(MERS)の発生で減少。旧日本軍の従軍慰安婦問題、元徴用工の訴訟を巡る日韓関係の悪化も追い打ちを掛け、16年の久山中(久山町)を最後に中断した。

 県などによると、県内の私立中でも希望する一部生徒に限った訪韓はあるものの、修学旅行での実績は近年ないという。高校の修学旅行は、公私立問わずシンガポールなど比較的に遠方で実施されている。

 箱崎中は、5月に保護者説明会を開催。一部から「今なぜ韓国なのか」などの意見もあったが、ほとんどが賛成だったという。

 計画では生徒らは空路で釜山入りし、バスで順天市に移動する。朝鮮王朝時代の姿が残る民俗村や、世界五大沿岸湿地の順天湾自然生態公園などを巡る。東山女子中の生徒とも互いの文化を紹介するなどして交流する。帰国後は、国際理解の考え方を生徒同士で話し合う場も設けるという。

 生徒は早速、韓国語のあいさつを覚え、共通のアイドルグループの話題もしたいと張り切る。池田昌弘校長は「日本より進んだ環境保護の意識も学べるなど教育的意義は高い。こんな時期だからこそ、若い人たちの交流は大切」と話した。

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