「こうじウイスキー」商標登録 たる仕込み焼酎世界へ 福岡の酒店主

西日本新聞 社会面

こうじウイスキーの「菅原水鏡」の14年と25年 拡大

こうじウイスキーの「菅原水鏡」の14年と25年

 日本独特のこうじ菌を目玉に焼酎を世界に広めようと福岡市の酒店主が、たる仕込みの焼酎を「KOJI WHISKY(こうじウイスキー)」と商標登録して売り出した。日本酒が海外に販路を広げる一方、焼酎は国内消費量が頭打ちで輸出も伸び悩む。琥珀(こはく)色に熟成させた焼酎を「ウイスキー」と名付けて輸出を拡大、製造法も公開して「九州の焼酎の救世主にしたい」と意気込んでいる。

 同市中央区渡辺通の酒商菅原の店主、土師(はじ)正記さん(59)が販売するのは「菅原水鏡」の14年物(5400円)と25年物(2万2680円)。

 14年物は、福岡県大刀洗町の焼酎蔵「研醸」がオークだるで熟成したにんじん焼酎と麦焼酎を合わせ、シェリーだるで仕上げた。25年物は、宮崎県延岡市の佐藤焼酎製造場が3種類のオークだるで25年以上熟成させた米焼酎をブレンドした。いずれもウイスキーさながらの琥珀色で「こうじが醸すスムーズな味わいが特徴」(土師さん)という。

 通常、ウイスキーは大麦などの穀類を原料に、麦芽を用いて醸造するのに対して、焼酎は芋、米、麦などを原料にこうじ菌を用いる。いずれも蒸留酒だが、焼酎は酒税法上、色の規制があって濃い色では出荷できないため、原料を調整して「リキュール」とした。

 土師さんは九州の焼酎蔵を巡りながら、たる貯蔵の焼酎が少なくなく、10年を超えた「超おいしい」一品があることも発見。ウイスキーが原料や地域性を個性にしているように、焼酎も「日本文化が生んだウイスキー」として売り出すアイデアを思いついた。名称は国際的観光地となった太宰府天満宮(福岡県太宰府市)に祭られる菅原道真公にちなんだ。

 福岡市で今月あった20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議のレセプションにも地元産品の一つとして出品。高い評価を得たため、「焼酎を海外に広める手段の一つになる」と手応えをつかんだという。

 計画的な生産を見据え、たるの種類や焼き具合、貯蔵法などを検証中。近く「こうじウイスキー協会」を設立し焼酎蔵に加盟を呼び掛け、商標の無料使用や技術指導者の派遣制度などのサポート体制を整える計画だ。

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