白秋作詞「海道東征」柳川で歌おう 市民合唱団が発足 21年披露目指す

西日本新聞 筑後版

北原白秋生家・記念館が所蔵する「海道東征」のレコード(1941年) 拡大

北原白秋生家・記念館が所蔵する「海道東征」のレコード(1941年)

カンタータ「海道東征」を作詞した北原白秋

 柳川市出身の国民詩人、北原白秋(1885~1942)が作詞したカンタータ(器楽伴奏付きの声楽作品)「海道東征(かいどうとうせい)」を歌う市民合唱団が23日、柳川市に発足する。2021年2月の柳川市民文化会館開館記念公演での初披露を目指し、練習に励む。本番では九州交響楽団と協演する。

 海道東征は1940年、皇紀2600年を祝う奉祝曲として、戦前の音楽史に名を残す作曲家信時潔(のぶとききよし)(1887~1965)によって作曲された。約50分間の大作で、同年11月に東京音楽学校(現東京芸大)で初演された。41年にはレコードも発売された。

 歌詞は、神話の国産みから神産み、神武天皇の東征、大和政権の樹立などが荘厳な古典調でつづられている。晩年の白秋は糖尿病の合併症の影響で目が不自由になっており、家族に大きく書き写してもらった古事記や日本書紀を参考に、口述で作詞した。海道東征作詞の功労により白秋は41年、福岡日日新聞社(現西日本新聞社)から福日文化賞を贈られた。

 演奏会実行委員会(会長=立花民雄白秋のまちの音楽会代表)によると、戦前につくられた国威発揚のための曲ということで、戦後は演奏されてこなかった。しかし近年、音楽作品として再評価されるようになり、演奏の機会が増えた。これまで全曲が披露されたことがないとされる柳川でも、白秋顕彰の高まりとともに「わがまちの歌」として歌い継ぐことにしたという。

 合唱団は公募し、市内外から約170人が応じた。練習は8月から月2回、難解な歌詞の意味を解説しながら進める。団発足後も団員の募集は継続する。参加費は大人5千円(楽譜代など含む)、高校生以下は無料。

 結団式は23日午後2時から、柳川市上宮永町の柳川総合保健福祉センター・水の郷である。実行委は公演に向け、協賛金(一口2千円)も募っている。問い合わせは北原白秋生家・記念館=0944(73)8940。

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