【動画あり】飾り山笠 吹き込む命 人形師・田中勇さんに密着

西日本新聞 ふくおか都市圏版

竹や木、和紙で骨格を作る田中勇さん=5月 拡大

竹や木、和紙で骨格を作る田中勇さん=5月

服装や髪形、時代背景の下絵は、漫画や歌舞伎などを参考にタブレットで描かれる=3月 細筆を使って慎重に進む絵付け作業。次第に、魂が宿るように表情も生き生きとしてくる=5月 絵付けなどを終えたパーツは、しっかりと乾燥される=5月

 福博の夏の風物詩「博多祇園山笠」(7月1~15日)。祭りを彩る魅力の一つが表情豊かな人形たちだ。さまざまな材料をもとに緻密な工程を経て、約3カ月かけて完成する。人形に命が吹き込まれていく過程とは‐。八番山笠・上川端通の「走る飾り山笠」と博多駅商店連合会の飾り山笠を手掛ける博多人形師田中勇さん(47)=福岡市早良区=の工房に足を運んだ。

【動画】飾り山笠人形制作過程

 3月下旬。タブレット端末の画面にペンを走らせ、下絵の作成に臨む田中さんの姿があった。父比呂志さん(享年79)に16歳で弟子入り後、30年以上にわたり人形制作に携わってきた。「イメージを仲間と瞬時に共有するために欠かせない」とデジタル化にも柔軟な姿勢を見せる。

 山笠人形は、竹や和紙を使った「細工人形」をルーツにもつとされる。材料に厳密な決まりはなく、制作を請け負う人形師や各流(ながれ)によってさまざまだ。耐久性や重量も大切なポイントで、加工のしやすさから発泡スチロールなどが重宝されるようになった。

 5月中旬、人形制作はいよいよピークを迎える。竹やわらなどで胴体の骨組みを作り、ひも状に細く裂いた木片を詰めた紙袋を当てて肉付けした。米袋は人形の皮膚になり、頭部は粘土を重ね、納得のいくまで手が加えられる。

 1日の睡眠時間が3時間という日もざらにある。自ら「山のぼせ」と認める田中さんは「黙々と考え、ひたすらに作っては、また考える。人形を見る人々の反応が楽しみだから、今年もがんばれる」と豪快に笑った。

 7月1日、同市内で飾り山笠14本が一般公開される。丹精込めて作った人形のお披露目はもうすぐだ。

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