吉野彰氏に「欧州発明家賞」 元九州大客員教授 リチウムイオン2次電池開発

西日本新聞 社会面

 元九州大客員教授で、電気自動車やスマートフォンに欠かせないリチウムイオン2次電池(充電して再利用できる電池)を開発した吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)が20日、欧州特許庁(EPO)が主催する今年の「欧州発明家賞」(非欧州諸国部門)に選ばれた。日本人の受賞は4年ぶり。

 優れた発明をたたえる欧州発明家賞は、5部門(産業、研究、中小企業、非欧州諸国、功労賞)で構成。最終選考に残った各部門3組の中から大賞が選ばれたほか、全部門15組の中で一般からの投票数が最も多かった「ポピュラープライズ(人気賞)」が決まった。旭化成によると、吉野氏はこの日、オーストリア・ウィーンで開かれた授賞式で「大変光栄です。EPO長官の『リチウムイオン2次電池の開発が世界を変えた』とのコメントがとてもうれしかった」と語った。

 吉野氏は1980年代初めにリチウムイオン電池の原型を考案し、86年に実用的な試作品を完成。電池の小型軽量化を実現させ、携帯電話やノートパソコンなど小型電子機器の利用を可能にした。これまで国際科学技術財団の「日本国際賞」など国外内の賞を受賞。ノーベル賞受賞にも期待がかかっている。2015年10月から18年3月末まで九大客員教授を務めた。

 欧州発明家賞は06年創設。これまで日本からは、14年にQRコードの開発に携わったデンソーウェーブの原昌宏氏らが人気賞に選出された。15年にはカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)を発見した名城大の飯島澄男終身教授のチームが非欧州部門の発明家賞を獲得した。

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