東京近郊の自宅近くを歩いていると

西日本新聞 社会面

 東京近郊の自宅近くを歩いていると、タクシーのトランクから荷物を降ろしている男性を見かけた。インドかどこかの人のようだ。一抱えほどもある荷物で難儀している。手伝おうかと歩み寄り、車内を見て驚いた。運転手は座ったままで知らん顔。何だか残念な気持ちになった。

 この光景を見て、中国人の友人の話を思い出した。日本語堪能で日本のサービスを絶賛する彼が、あるとき漏らした。「タクシーを下車するとき、こちらが中国人と分かるとトランクから荷を降ろしてくれない運転手さんがいるんです。日本人にはそんなことはしないんでしょうにね」

 「おもてなし」とかPRして誘致した東京五輪・パラリンピックを来年に控え、外国人への多言語サービスなどが声高に叫ばれるニッポン。でも、基本的に大事なのは「ひと」による接客。下手すると差別とも取られかねない態度では、日本の「おもてなし」の名が泣く。 (久永健志)

PR

PR

注目のテーマ