石原詢子、切ない新曲で新時代へ 博多演歌まつりは2年連続トリ

西日本新聞 夕刊

 デビュー31年、石原詢子が5月に出した新シングル「通り雨」は、別れた人を思う女の深い情を歌う。ヒット曲「みれん酒」の影響で明るい演歌のイメージが持たれがちな石原だが、本来は切ない気持ちを語るマイナーな曲が好きだ。「令和」時代をお気に入りの曲調の作品でスタートさせ「新しい石原詢子を作り上げるいい機会をもらった」と意気込む。

 〈女は淋(さび)しいね 女はせつないね〉と始まる「通り雨」。ヒット曲が出るまでは、このような陰りがある曲のキャンペーンを重ね、土台を作ってきた。だが、同じような曲ばかり歌ってきたわけではない。カップリングは違うタイプを選んだ。今回の「こころに春を」は〈きっとでっかい あすがある〉など「通り雨」と対照的な明るい歌だ。

 「似たような曲ばかりだと聴く人もつまらない。ある意味期待を裏切るような選曲をしてきました」。固定観念で見てほしくない。そういう気持ちがあった。時にはワルツ調の曲を入れたこともあった。永井龍雲など演歌以外のアーティストが作った曲も歌ってきた。今後もその姿勢は変えないつもりだ。

 7日に福岡市で開かれた「第22回博多演歌まつり」では昨年に続いて“トリ”を務めた。レコード店とレコード会社が手を携えて開く手作りのイベント。「レコード店の方が演歌の灯を消さないように頑張ってらっしゃる。みなさんの熱意が伝わってきます」。もちろん、歌い手側にとっても、レーベルの枠を超え一つのイベントを作り上げるのは貴重な経験となる。

 だが、音楽を楽しむスタイルとして配信が増えている中、かつて各地で開かれていた同様の演歌まつりは福岡だけになった。伝統を守るためにも、「頑張らなきゃならない」と石原は言う。新曲とともに新時代を歩み始めたベテランは思いを強くしている。

 博多演歌まつりの模様は22日午後9時からKBCラジオで放送される。

PR

PR

注目のテーマ