【さが対決の構図 2019参院選】(下) 野党 一枚岩になれるか

西日本新聞 佐賀版

犬塚直史氏(左から3人目)が統一候補に決まり、共同会見を開いた県内の野党と市民連合さが=15日 拡大

犬塚直史氏(左から3人目)が統一候補に決まり、共同会見を開いた県内の野党と市民連合さが=15日

 17日朝、通勤の車が激しく行き交う唐津市中心部の交差点。参院選佐賀選挙区に立候補予定の国民民主元職、犬塚直史氏(64)は「ワンちゃん100カ所街頭演説中」と書かれた横断幕を掲げ、声をからした。「佐賀から政治改革の流れをつくろう」

 東京都内在住だった犬塚氏が佐賀入りしたのは、この日のわずか9日前の8日だった。出遅れや知名度不足を挽回するため、姓の一部「犬」から考えたニックネーム「ワンちゃん」で親しみやすさをアピール。参院選公示までに100カ所での街頭演説を目指し、平日は1日当たり5、6カ所で辻立ちする。

 国民の候補者選びは難航した。多久市長の横尾俊彦氏ら複数人を模索したが進展せず、原口一博県連代表が犬塚氏に出馬を打診したのは5月の大型連休明け。「まさに急転直下」(犬塚氏)で擁立にこぎ着けた。

 前回の参院選で旧民進候補は自民現職に約13万票の大差で敗れた。しかし、17年の衆院選では2選挙区でともに野党候補が勝利。衆院選の再現を狙い、国民幹部は急ピッチで他党との協力態勢を整えている。

 犬塚氏が自民現職で立候補予定の山下雄平氏(39)を倒すには「野党が一枚岩になることが最低条件」(陣営関係者)だ。

 犬塚氏は原口氏とともに8日に多久市であった共産演説会に出席し「安倍1強の政治を一緒に変えよう」とあいさつ。翌日には佐賀市で開かれた社民県連合定期大会に出向き「連帯してともに歩んでいきたい」と呼び掛けた。

 市民連合さがと各野党が15日に開いた共同会見は国民をはじめ、候補擁立を取り下げた共産の幹部らが出席し、犬塚氏を統一候補として発表した。前回の参院選では見られなかった光景に、社民県連合の徳光清孝幹事長は「3年前と比べてとてつもなくパワーアップした態勢になった」と結束ぶりをアピールした。

 だが、野党連携には温度差もある。連合佐賀の青柳直会長は「共産党と手を組むつもりはない」と強調。「野党共闘」という言葉を避ける。

 15日の会見では進行役が幹部同士で手を合わせるように促したが、一同に並んで握手する場面は最後まで披露されず、微妙な空気が流れた。「政策の考え方や支持母体が違うし、距離が残っているのは事実だが、立場の違いを乗り越えないと自民を利するだけだ」。野党関係者の1人はそうつぶやいた。

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