保健師と医師、虐待と疑わず 17年の福岡乳児殺害

西日本新聞 社会面

 福岡市南区で2017年、母親=当時(22)=が生後4カ月の長女の胸を踏みつけて殺害した事件で、市は21日、保健師と医師が事件前に長女の頭のけがを確認しながら、虐待と疑わず、児童相談所に情報提供していなかったと明らかにした。2人とも「風呂でけがをした」との父親の説明に疑問を持たなかった。市は再発防止策として、虐待のサインをつかむための研修強化に取り組むとした。

 有識者による市の諮問機関専門部会の検証報告を受け、市議会で報告した。

 市の内規は、乳児の頭部外傷は虐待の疑いとみて対応すべきだと定める。報告書によると、保健師は母親の育児支援を目的に事件1週間前に自宅を訪問。玄関先で父母と長女に会い、長女の額にパッドが貼ってあるのを見つけた。「昨日、風呂でけがをして病院に連れて行った」と父親は説明、保健師は適切に処置していると判断した。

 頭部の傷を診察した外科医も、専門部会の聞き取りに「(母親が抱っこしていて風呂の蛇口に当たったという)父親の説明に違和感はなかった」と答えた。

 専門部会の聞き取りで、別の医師は額の傷について、骨まで達していたことから虐待によるものと判断すべきだったと話した。母親が殺人などの罪に問われた裁判では、懲役7年が言い渡され、判決が確定している。

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