『隼人の古代史』 中村明蔵 著 (吉川弘文館・2376円)

西日本新聞 くらし面

 鹿児島出身の男性はしばしば「薩摩隼人(はやと)」と呼ばれる。この「隼人」とは何か? 本書によると、古代、隼人は南九州の住民を指し、682年に朝廷で相撲をとったという日本書紀の記述が、文献に隼人が具体的に記された最初という。中央政権は8世紀初めに大隅、薩摩両国を置くが、隼人は国守を殺害するなどして抗戦。政権側は、令和元号ゆかりの大伴旅人を将軍に任命し、これを制圧している。一方、畿内へ強制移住させられた一部の隼人は、吠(ほ)え声の呪力によって天皇や官人の邪気を払ったという。鹿児島国際大名誉教授の著者は、知られざる古代の隼人の姿を文献史学や民俗学、考古学などを駆使して描きだしている。2001年刊を増補改訂。

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