日吉神社周辺を発掘へ 吉野ケ里遺跡の未調査区域 「弥生後期の王の墓」期待

西日本新聞 佐賀版

 吉野ケ里遺跡(吉野ケ里町、神埼市)の未調査区域のうち、北墳丘墓の西側にある日吉神社周辺の発掘に向け、県は該当区域の公有化に向けた鑑定費用約490万円を盛り込んだ予算案を開会中の県議会に提案した。日吉神社は歴代の王の墓とされる北墳丘墓と同じく、まつりごとの中心とされる北内郭に近い小高い場所にあることから、地位の高い人物の墓などが見つかる可能性があり、関係者は期待を寄せている。

 県文化課文化財保護室によると、公有化を予定している日吉神社周辺の土地は吉野ケ里歴史公園の中心部に位置し、面積は4209平方メートル。神社があることから、これまで発掘対象になっていなかった。

 神社は現在、雑木林に覆われており、氏子の高齢化で参拝が難しくなっていることから、周辺住民が数年前から県に移転を要望。県の機構改革に伴い、4月1日付で文化財保護の担当が県教育委員会から知事部局の文化課に移管し、遺跡の積極的活用を図る姿勢を打ち出したこともあり、今回の予算措置となった。予算案が可決されれば、該当区域の土地、建物の鑑定に入り、2022年度にも発掘に着手する。吉野ケ里遺跡での新たな発掘調査は12年度以来となる。

 文化財保護室によると、日吉神社から約150メートルの北墳丘墓は弥生中期のころに歴代の王が埋葬されたとみられ、甕棺(かめかん)のほか柄の部分まで全て青銅で造られた「有柄銅剣(ゆうへいどうけん)」などの貴重な品が見つかっている。吉野ケ里の集落が最も栄えたとされる弥生後期の王の墓はいまだ見つかっていない。日吉神社周辺が北墳丘墓と同様に北内郭からの見通しが良いことなどから、同保護室は「弥生後期の王の墓や重要な遺物が出てくる可能性もある」と期待を込める。 

佐賀県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ