トランプ氏「7.4」演説計画 独立記念日を選挙利用? “禁じ手”に市民反発

西日本新聞 国際面

 トランプ米大統領が7月4日の独立記念日に首都ワシントンで国民向けの演説を計画し、物議を醸している。この日は米国の独立を国民全体で祝う日で、例年、花火大会やコンサートなど政治色を排したイベントが企画される。しかし、18日に来年の大統領選への再選出馬表明をしたばかりのトランプ氏が演説すれば格好の選挙運動になりかねないとあって、野党民主党や「反トランプ」の市民らが反発を強めている。 (ワシントン田中伸幸)

 独立記念日には全米各地でイベントが行われ、中でもワシントン中心部の緑地帯ナショナルモールには毎年、花火を楽しむ家族連れなど数十万人が集まり、祝賀ムードに包まれる。米メディアによると、大統領が同日にスピーチした例はあるものの、歴代大統領のほとんどはイベントに関わってこなかったという。

 こうした中、トランプ氏は昨年、ホワイトハウスで軍関係者を招いたパーティーを開催。ところが今年に入り、モールに面するリンカーン記念堂前で「米国への敬意を示す」との名目で演説する考えを突然表明した。国民とともに独立を祝う趣旨で、支持者が多数駆け付ける可能性がある。

 これに対して、政治とは距離を置いてきたイベントが事実上、トランプ氏の選挙集会になりかねないとの懸念が浮上した。米紙ワシントン・ポストによると、イベントは地元政府などが公費を支出することもあり、民主党下院議員らがトランプ氏宛ての書簡で「公費を使った党派的な選挙集会になる」「多大な警備コストがかかる」などと批判。演説の時期を早めるか場所を変更するよう要請した。

 市民からは「伝統的に大統領を支持する、しないとは無関係の楽しいイベントなのに、ひどい計画だ」(ワシントン在住の会社員男性)と失望の声も。「反トランプ」の市民団体の中には当日、会場で「ベビー・トランプ」と呼ばれる、トランプ氏を模したオムツ姿の赤ん坊の巨大風船を飛行させる許可を当局に申請するなど、演説を妨害する動きもある。

 トランプ氏が演説を強行した場合、衝突の発生を心配する見方もあり、その行方に注目が集まっている。

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