農家心配顔 コメの味落ちる 柿の実小ぶりに

西日本新聞 社会面

 例年よりも梅雨入りが遅れる九州北部で、農作物の生育への影響を懸念する声が上がっている。田植え作業に取り掛かる稲作農家は「少雨が続けばコメの出来に支障が出かねない」と心配顔。果樹農家からも「実が小ぶりになる恐れがある」との不安が聞かれる。

 田植え時期を迎えた福岡県久留米市の宮ノ陣地区。約250ヘクタールに及ぶ田へ、筑後川から水が入り始めたのは18日。例年通りの開始時期だが、通水業務を担う三井郡床島堰(せき)土地改良区は11日、農家に節水を求める文書を出し「筑後川の水位が日々低下しており、水不足が懸念される窮状です」などと訴えた。

 2ヘクタールで稲作する計画の八尋義文さん(52)は22日、田植え前に土の塊を砕く「代かき」をトラクターで実施。「田植えまではほぼ予定通りできそう」と話しつつ「稲作にはその後も大量の水が必要。少雨のままだとコメの食味が落ちたり生産量が減ったりしかねない」と表情は厳しい。昨年7月の西日本豪雨でキュウリの栽培施設が被災した経験もあり「少雨の反動の豪雨も怖い」とも語る。

 農業用水をためる熊本県苓北町の志岐ダム。125ヘクタールの田などへ給水するのが役目だが5月25日から給水は停止。貯水率が2割を切っており、給水停止はダムが空になると送水管破損の恐れがあるからだ。ダムを管理する同町土地改良区の田中優一事務局長によると、稲作の多くは早期栽培で給水停止時期はちょうど、田から水を抜く「中干し」と重なり、早期栽培分については今のところ大きな影響は出ていない。だが再び水が必要な時期を迎えており「一日でも早く雨が降ってほしい」と田中事務局長。

 福岡県久留米市で年間約40トンの柿を生産する池尻和博さん(47)は「少雨のままだと例年に比べ実が小さくなりかねない。かといって自前での水やりは大変な作業」と今後の天気に気をもむ。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ