ため息が漏れた

西日本新聞 社会面

 ため息が漏れた。相次ぐ政治家の舌禍を受けて、自民党が作成した“失言防止マニュアル”。「発言は『切り取られる』ことを意識する」「言葉遣いを第三者にチェックしてもらう」…。このマニュアルが必要な人に、そもそも議員の資格があるのだろうか。

 言葉は魔法で刃物だ。笑顔の似合う人に「いつも笑っている」より、「いつもにこやかだ」と言う方が印象はいい。一方、不用意な一言で相手を不快にし、傷つけることもある。誰しも、慎重に言葉を選ぶことが欠かせない。

 話し上手な人はいる。ただ、それが全てではない。「巧言令色鮮(こうげんれいしょくすくな)し仁」(口がうまく愛想のいい人は信頼に欠ける)とも言う。人には得手不得手がある。話し下手な人は「うまいこと」を言おうと無理する必要もない。「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)仁に近し」(意志が強く口べたの人には徳がある)。マニュアルに沿って表面を取り繕うより、資質を磨いてほしい。 (吉丸宣孝)

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