きょうは沖縄「慰霊の日」…

西日本新聞 オピニオン面

 きょうは沖縄「慰霊の日」。太平洋戦争末期、「鉄の暴風」と呼ばれた激烈な沖縄戦で20万人以上が亡くなった。犠牲者をしのび、平和の誓いを新たにする日だ

▼追悼式会場の平和祈念公園(糸満市摩文仁(まぶに))に程近い「ひめゆり平和祈念資料館」もきょう開館30年を迎える

▼戦争中、負傷者の看護のために女子学生222人と教師18人が陸軍病院に動員され、うち136人が戦場で命を落とした。「ひめゆり学徒隊」だ。資料館は、戦争の悲惨さと平和の大切さを戦争を知らない世代に伝えようと、生き残った元学徒らが設立した

▼今宵(こよい)もまた ひめゆり学徒隊の少女は 手桶(ておけ)を提げ 柄杓(ひしゃく)を持って現れ(略)ひたすら きな臭い風を せっせと 汲(く)んで 捨てている/島から吹いてくる風に 砲弾の臭(にお)いが漂っている限り/沖縄戦で 若い命を散らした少女は いまだに 安らかに眠ることが出来(でき)ないのだ-。金野清人(こんのきよと)さんの詩「風を汲む少女」より

▼資料館は学徒の遺影や遺品、手記などを展示している。ただ、元学徒が高齢化し、来館者に体験を直接語ることはできなくなった。ここでも戦争の記憶の風化は進む。何としても貴重な証言は次の世代に語り継ぎたい

▼詩は続く。戦争を知らない子どもたちが 軍歌を奏でられ 日の丸の波に送られて 二度と 戦場に駆り出されないため 平和憲法を盾にして きな臭い風を この地上から 払い除(の)けるのだ。

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